本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
元エース潜水艦長が<br />なぜ自衛隊は世界一弱いと告発するのか

元エース潜水艦長が
なぜ自衛隊は世界一弱いと告発するのか

笹 幸恵

『自衛隊が世界一弱い38の理由』 (中村秀樹 著)

出典 : #本の話
ジャンル : #ノンフィクション

保身に走るエリート自衛官

 

  本書では、単刀直入に「自衛隊は戦えない」とお書きになっています。自衛隊関係者にとってはきわめてセンセーショナルなものとなりそうですね。しかもドサ回りの経験に基づいたものですから、説得力があります。

中村  私としては、安全保障上考え得る問題点をできるだけ網羅したつもりでいます。幹部候補生学校(昔の海軍大学校)の教科書になり得ると自負しているくらいです。ただ誤解してほしくないのは、決して自衛隊批判が目的で書いたのではないということです。自衛官はよく口にします。「どうせオレたちは何もできない。政治が悪い。法律が悪い。社会が悪い」って。もちろん自衛隊だけではどうにもならないことはありますよ。しかし自衛隊自身そういう状態に甘えているところがあるんじゃないのか。つまり可能なはずの自助努力さえしていないんじゃないか。それではいけないと言いたいのです。

  自助努力とは、具体的にどういうことを指すのでしょう。

中村  一言で言えば、予想される侵略事態に対応できる、現実的な態勢にすることです。
  自衛隊は、戦後創設されたときの状態のままです。冷戦構造崩壊など、国際情勢や脅威が激変しているのに、「大戦型」の延長で「冷戦型」の発想の編成装備訓練を続けています。
  また安全を優先した訓練は、どんどん非現実的でマンネリ化したものになっています。事故や事件のたびに強まる内局の干渉も、自衛隊を軍事組織から官僚組織にしていますね。次第にその傾向は強まっています。

  失敗を恐れるあまり、創意工夫が生まれなくなってしまっているのですね。しかし、私にも自衛官の知り合いが多くいますが、彼らのほとんどは組織に関して様々なジレンマを抱えているようです。

自衛隊が世界一弱い38の理由
中村 秀樹・著

定価:1400円(税込)

詳しい内容はこちら

ページの先頭へ戻る