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ぼくはこの星のものではないのかもしれない――。喘息の発作で苦しんでいた子どもの頃の空想から生まれた、孤独な魂をめぐる悲しくも透明な物語。

ぼくはこの星のものではないのかもしれない――。喘息の発作で苦しんでいた子どもの頃の空想から生まれた、孤独な魂をめぐる悲しくも透明な物語。

山下 澄人

山下澄人「ほしのこ」


ジャンル : #小説

 ぼくは子どもの頃から喘息持ちです。今はずいぶんましにはなりましたが。

 子どもの頃、発作が始まると、せまい家の隣で寝る仕事の嫌いな父を起こすのが悪くて嫌で、よく眠れてないと父は仕事を休むからです、心配する母の顔を見るのもつらくて嫌で、とても眠そうに背中をさすってくれたりするのです、アパートの部屋の外へ出て、廊下の途中にある屋上へのぼる階段へ腰かけて、よくヒューヒューと中で鳴る音を聞きながら階段の横にある窓から見える空をながめてじっとしていました。

 そのとき空想したのが、ぼくはこの星のものではないのかもしれない、というものでした。この星のものではないからこうして呼吸が苦しくなるのだ、そう思うと気はずいぶん楽になり、明け方までうつらうつらとしながら階段で治まるのを待ってました。

 空想はぼんやりとしたものでは長続きしません。だから発作のないときにあれやこれや細部を考え、発作時にそなえました。

『ほしのこ』はそのとき思い描いたものが基になっていると書きはじめてからわかりました。

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