- 2014.10.26
- 書評
自らの舌で食べこんだラインアップが証明する真のグルメ
文:柏原 光太郎 (『東京いい店うまい店』担当編集者)
『芸能界のアテンド王が教える 最強の店77軒』 (渡部建 著)
ジャンル :
#趣味・実用
どうしても名前が出せない店が二軒ある
しかし、ご本人からうかがったところ、月に一度、あるかないかの休みの日には、かねてからチェックしていた日本中の店に出かけるとか。練馬や横浜どころじゃないのです。
「僕には自動車や高級腕時計を集める趣味はないから、食べることくらいにしか時間とお金を使わないんですよ」と話す渡部さんですが、たしかにこの本に出ている地方店のラインアップもすごい。岐阜からかなり不便な場所にある囲炉裏割烹「柳家」、岡山の住宅街に潜む寿司「ひさ田」、山形市の山の中にある焼肉「楓庵」など、食べるためだけにしか行かないような店を軒並み制覇しているのです。
しかも、高い店自慢、予約の取れない店自慢になっているのではなく、庶民的かつうまい店もたくさん紹介しているところに、渡部さんの「食」への愛情を感じます。門前仲町の居酒屋「魚三酒場」は予算2000円ですし、赤坂の中国料理「珉珉」は炒飯がめちゃうまの安ウマ店。茅場町の立ち飲み「ニューカヤバ」に到っては「1000円もあれば、十分飲み食いできます!」という店です。
さらにいえば、「スゴく美味しい思いをするための店との付き合い方」「食べても太らないスゴい秘訣」など、食べ物好きならぜひ渡部さんに聞いてみたい情報満載のコラムも載っています。
そのひとつに「掲載できないスゴい店」があります。この本で渡部さんは、いい店ならば分け隔てなく紹介しているが、どうしても名前が出せない店が二軒あるというのです。
一軒は、池袋にある鰻屋「K」。天然鰻で有名ですが、江戸っ子の毒舌大将のマシンガントークが絶妙の店で、渡部さんも初対面で説教をくらったそうです。もう一軒は西麻布の和食「N」。路地の奥まったところにある古民家で、個室で密談をするには最高の店だとか。この「渡部的東京二大面白店」を発見するためにも、ぜひ本書をお読みください!
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