さて、年表はどれぐらい埋まったでしょうか。といっても、一度にすべてを書き込む必要はありません。私の場合、見えるところに貼っておき、思いついたときに書き足すようにしていました。どうしてもやりにくいという人は、「日本」の欄だけを先に埋めてしまうという手もあります。引っ越しや旅行といった家族のイベントを並べてみるのもいい方法です。そうすると、そのときの自分の気持ちや、親に褒めてもらったこと、両親のけんかの場面なども思い出してくるでしょう。親の体調に変化があったことを覚えている人は、それを記すことも忘れてはいけません。この情報は、あなたのこれからの健康にもっとも役立つ、有益な情報です。私の父は糖尿病、肝臓病を患っていましたから、いつ頃から悪くなり始めたかを知ることで、私自身の悪しき生活習慣を改めることができました。そうです、60代で禁酒・禁煙、体重を減らすことに成功したのです。 次に、父親なり、母親なりの気持ちを推測してみることをおすすめします。老年にさしかかると、親とはいえ、老いを受け入れ難く思ったり、不安に感じたりしていた時期があったはずです。親を客観視できるようになると、自分の進むべき方向もおのずから見えてきます。このあたりのことは、私自身が定年前に会社をやめるかどうかと悩んだことも含めて、本書で包み隠さず述べています。ぜひ、参考にしてみてください。
「親と子年表」は未来年表でもあります。私の父は64歳で亡くなっています。ですから私の64歳以降は、何のお手本もない、前人未到の領域でした。しかし、恐れることはありません。未来を含む「親と子年表」には、あなたがこれからやってみたいことを書き込んでいくのです。ゴルフを必ず週一回やるとか、日本一周するとか、目標を記してみるといい。もちろんこれは途中で書き直すことも可能です。そして、やがてやってくる死をどう迎えるか、ということについても我がこととして考えられるようになるのです。あなたにお子さんがいれば、未来年表は、お子さんたちへの大きなプレゼントとなります。あなたの両親、あなた自身のことが綴られた年表は、お子さんたちが、この困難な時代を生きていくうえで、必ず支えとなるものだからです。年をとるからといって、いたずらに不安になることはありません。「親と子年表」で得られるヒントは無限です。
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