───シンプルに素材の味を活かしたお菓子が評判のなかしましほさんは、これまでに六冊のお菓子のレシピ本を出版し、次々とベストセラーになりました。四月には、昨年刊行されたレシピ集『おやつですよ』に続き、第二弾の『ごはんですよ』が発売されます。なかしまさんにとって、今回が初めてのごはんもののレシピ本ですね。心境の変化などがあったのでしょうか?
なかしま 今はフードムードという屋号でお菓子のお店をしているのですが、その前に六、七年間、オーガニックレストランやヴェトナム料理店でコックをしていました。好きでお菓子作りを仕事にしているくらいだから、家に帰ってからもずっと台所に立っていたいかというと、そういう訳でもないんです(笑)。正直に白状すると、「ごはん作るの、ちょっと面倒くさいな」と思う時もあります。そんな時は、一口食べておいしい! と思うようなパンチのある味を食べたくなって外食することもあるのですが、そういう「勢いのあるごはん」が毎日だったら、ちょっと疲れてしまうのも確かなんですよね。誕生日のごちそうが毎日続いたら、きっと楽しくないでしょう(笑)。それに対して、家で食べるごはんは外で食べるものとはまた違う「落ち着くごはん」みたいな魅力があるなあと思うようになりました。日々食べているごはんのレシピもだんだんたまってきて、「今だからこそ出来る本があるのかな」と、初めてのごはん本作りが始まりました。
───誰でも「今日は面倒だな」っていう時はありますよね(笑)。
なかしま 主婦もひとり暮らしの人も、仕事が忙しい人も、誰にでもあると思うんです。そんな時に「やっぱり家で落ち着いた気もちで、おいしいごはんが食べたいな」と思ったら、少ない材料で力まずに作れるものがいい。
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