───表紙にもなっている、「しょうがたっぷりキーマカレー」みたいに、定番にひと工夫したようなメニューから、「みょうがのそうめんチャンプル」や「くるみ太巻き」といった、ちょっと意外な組み合わせまで、ラインナップが面白いですね。
なかしま 単純に、普段食べているものを挙げていったらこうなったんですよ。しょうが、みょうが、玉ねぎ、きのこ、くるみ……きっと、素材の味がストレートに活きる料理が好きなんでしょうね。お菓子を作る時もそうなのですが、わざわざ素材のクセを消そうとせずに、せっかくその素材を使うんだったら、よさをひきたたせる方がよりおいしく食べられるんじゃないかなと思って作っていますね。「しょうがたっぷりキーマカレー」は、しょうがのおいしさは出来るだけ活かしながらも、やたらと刺激が強すぎるというような味にはならないように、まとめ役としてにんじんジュースを加えました。
───「くるみ太巻き」は、具材に砂糖で煮詰めたくるみが入っているということに驚きました。初めは、何も知らない外国人が和食を作ったかのようなものではないかと怪しんだのですが、紹介されていたエピソードによれば、故郷・新潟では、定番のごはんなのだそうですね。他にもなかしまさんの故郷の味が色々出てきます。
なかしま そうなんです。わたしは「くるみ太巻き」が大好きで、しかもくるみだけほじって食べるほどでした。おいしいので、だまされたと思って作ってみてください! 今回写真を撮ってくれたカメラマンも新潟出身で、やはり「くるみ太巻き」が大好物だそうです。家庭によって色々味があるんですよ。やっぱり幼い頃に親しんだ味が、今の味覚に影響を与えているんだなあと思いますね。でもわたしは、高校を卒業してすぐに上京し、母や祖母に作り方を教わらないままに大人になってしまいました。姉曰く「教わるも教わらないも、あなたはお手伝いを全然しなかったから機会がなかっただけだよね」ということらしいのですが(苦笑)。けれど、おいしかったものってその時の出来事と一緒に味が思い出されるから、思い出をたどりながら、想像で地元の味も作るようになりました。本では市販の甘栗を使って作っている「甘栗おこわ」も、秋になると祖母がひとつひとつ栗の皮をむいて重箱一杯に作ってくれた大好きなごはんでしたね。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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