- 2016.02.19
- インタビュー・対談
安倍政権、進次郎、原発……小泉純一郎がすべてに答えたインタビュー決定版!
「本の話」編集部
『小泉純一郎独白』 (常井健一 著)
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#ノンフィクション
総理退任から10年。ついに沈黙を破り、初のロングインタビューに応じた小泉元総理。親子ほど歳の離れた、遠慮を知らない気鋭のフリーライターの質問の数々に、4時間半に渡って真摯に答えた記録が、本書『小泉純一郎独白』だ。
――常井さんは、これまで長らく小泉元総理の次男、小泉進次郎衆院議員を追いかけてこられました。2013年には、『小泉進次郎の闘う言葉』(文春新書)も上梓されています。ところが今回はすでに政界引退した父・純一郎氏のほうを取材対象にしたというのは、一体どういうわけですか?
実は以前から、小泉純一郎氏には並々ならぬ興味を持っていました。小泉政権が誕生した2001年、私は大学生でした。小泉旋風に熱狂したものの、その後の就職氷河期で悩まされ、非正規雇用も経験し、いわゆる「小泉改革」には愛憎相交る複雑な感情を持つロストジェネレーションです。その小泉氏が総理の座を退いてから、今年でちょうど10年になりますが、最近の講演活動などを見ていても、その人気や期待感は衰えることを知りません。読売新聞が昨年、戦後70年に合わせて実施した世論調査によると、「歴代首相でその業績を評価する首相はだれか」との問いに対し、「小泉純一郎」の名前を挙げた回答者は1位の田中角栄に次いで多かった。人々は、サンフランシスコ平和条約を締結した吉田茂よりも、ノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作よりも、小泉純一郎のほうがエラいと思っているんです。私は確かに、長らく息子の進次郎氏を追ってきましたが、彼を追えば追うほど、方々で「原発ゼロ」を明確に訴える父と、「誰もが原発なしを望んでいる」と議論の必要性を訴えながら、いまいち歯切れの悪い進次郎氏の違いも気になってきました。そこで思い切って純一郎氏に取材を申し込んでみたんです。
――小泉氏は、原発ゼロを訴える講演活動こそ熱心にやられていますが、回顧録の類は一切出さず、ロングインタビューにも応じない、というのが定説でした。どうやって4時間半ものロングインタビューに成功したのですか?
何か秘策があったわけではありません。気合を入れて取材を申し込む際にいつも使う「銀座 伊東屋」の便箋7枚に、思いを込めて手紙を書いたんです。
私がこれまで進次郎氏を全国300カ所以上追いかけて、その言動をつぶさに記録してきたことや、2014年の東京都知事選で細川さん(護熙元総理)を応援した小泉さんの演説もすべて聞いたことも記しました。インタビューの冒頭で、「現場をあれだけ回っているのは大したもんだ」と言われたので、そういった記述が、あるいは小泉氏の心のどこかに響いたのかもしれません。
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