同じ山梨県出身で、マルチに活躍する二人が語る故郷で過ごした青春時代や、東京での日々、そして執筆への想い
マキタ 真理子先輩、今日はよろしくお願いします。実は先輩のためにお土産をお持ちしたんです。
林 わあ、私の大好きな浅草の「亀十」のどら焼き! ありがとうございます。マキタさんは私と十六歳違うんだよね。それで、同じ山梨県山梨市出身で、高校も同じ山梨県立日川高校の卒業です。マキタさんは二〇一四年のNHKの朝ドラの『花子とアン』にも先生役で出演されていて、後輩でこんなに活躍している方がいて嬉しいです。
マキタ 真理子先輩にそうおっしゃっていただいて感激です。NHKの朝ドラに出たら、ようやく山梨の人も僕の存在を認めてくれたようで、皆に「おめでとう」と言われました。でも、山梨弁でお芝居をするって、パジャマでパーティー会場に居るみたいな恥ずかしさがありました。「てっ」とか「何とかずら」って、完全に家の中の言葉なんですよね。
林 方言って不思議で、私もふだん標準語なんだけど、中央線の特急で笹子(ささご)峠を越えると「霧が出てるじゃん」って言ってしまうんです。でも、山梨って東京の人の認識はすごく中途半端で、東京と隣接してるって言うと「ウソッ」とか言われるじゃない。
マキタ 「山梨出身です」って言うと、「ああ、フルーツがおいしくて、ほうとうがあって……」で話が終っちゃいますよね。富士山は静岡のものだと思われているし。
林 沖縄や福岡と違って、山梨県出身の有名女優さんっていないんですよ。昔から“富士山の見えるところに美人はいない”っていうのが定説なんです。
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