「武士道」シリーズの続編というのは、私の中でもちょっと特別な位置付けというか、姫川玲子シリーズや「ジウ・サーガ」の続編を書くのとは、まるで意味が違うんですね。警察ものなら、多少インターバルがあっても、途中で短編を書いたりもするんで、そんなにご無沙汰感はないんですけど、香織や早苗とは、もう丸っきり6年、顔も合わせてなかったですからね。正直、不安はありました。
でも、なんでしょうね。書き始めると、彼女たちの方から、ワーッと喋ってくるわけですよ。あのね、この6年の間に、こんなことがあったんですよ、こんなこともあったんですよ、ちょっと聞いてくださいよ、って、香織と早苗が、我先に自分のエピソードを披露しようとするわけです。
そして、彼女たちの現在――。
新しい出会いもあるし、予期せぬ苦難もあるし、けっこうてんこ盛りです。それを、香織は香織らしく、早苗は早苗らしく、一つひとつ乗り越えていくんです。逞しいですよ。ほんと、彼女たちを見ていると、偉いなって思います。
今の時点でもう、最終章まで書き終えているんですが、まさにあっというまでした。6年ぶりに彼女たちと会って、数カ月一緒に過ごしましたけど、これでまたお別れなんだと思うと、正直、寂しい気持ちはありますね。
でも、大丈夫。私が書いても書かなくても、あの子たちは元気にやってます。真っ直ぐ生きてますよ。そのことが今回、よく分かりました。私自身、安心しました。
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