インタビューほか

舞妓、アイドル、マイルドヤンキー。17歳のそれぞれの生き方

「本の話」編集部

『17歳のうた』 (坂井希久子 著)

地方都市に住む17歳の女子を、それぞれ主人公に据えた短篇5作を収めた『17歳のうた』。大人でも子どもでもない女性の心情をあざやかに切り取った、著者の坂井希久子さんにお話を伺いました。

いちばん尖っているのが17歳

――神職の娘を描いた短篇、「Changes」のなかで、「揺れていいのは、十七歳までだと思っている」(p139)という台詞があって、それは感覚的にすごく腑に落ちるものがありました。

坂井 この17っていう数字が、まず安定感ないですよね。18歳はもう、受験があったり、就職する子だったら就職活動があったり、そういう具体的に動かなきゃいけない時期なので、なんかモヤモヤしたものを持って、それをどこに置けばいいんだろう、っていう気持ちにはならないと思うんです。16歳はまだ高校生という環境に慣れるのに必死だし。いちばん尖っているのが17歳で、だからこそこの年齢の子を書きたかったんです。

――坂井さんが描く女の子って、『ハーレーじじいの背中』(双葉社刊)の真理奈ちゃんもそうですが、みんな似た部分があるように思います。ひたむきで、透明感があって。

坂井 この作品に出てくる子たちは、大人になったら私が友達になれそうな子ばかり、というのはありますね。モヤモヤはしてるけど、なんだかんだいって前向きなんです。人を不当にうらやんだり、世の中をやたらと恨んだりとかはしない。物語のなかの大人たちも彼女たちと関わることによって「こんなところで腐ってはいられないな」と思ってるはず。読者の方々にも、この17歳の勢いのある純粋さに触れてほしいですね。

坂井希久子(さかい・きくこ)

坂井希久子

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部日本語日本文学科卒業。2008年「虫のいどころ」で第88回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。他の作品に『羊くんと踊れば』『こじれたふたり』『泣いたらアカンで通天閣』『ヒーローインタビュー』『ただいまが、聞こえない』『虹猫喫茶店』『ウィメンズマラソン』『ハーレーじじいの背中』『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』などがある。

17歳のうた
坂井希久子・著

定価:本体1,300円+税 発売日:2016年10月27日

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特設サイト坂井希久子 『コイカツ』(2009.07.30)