2015.10.04 書評

部屋と熱帯魚と枕カバー

文: 「週刊文春」編集部

『壇蜜日記2』 (壇蜜 著)

壇蜜、34歳。風呂上りのアイスやドラッグストアのトイレットペーパーに気分を高めたり、コンプレックスやネットの心無い声に悩んだり、ときに孤独について深く考える。独特の感覚で書かれた気取らない生活と意見が、一線で活躍する作家や女性たちの共感も呼んだ『壇蜜日記』の第2弾。文庫オリジナル作品。 文春文庫 610円+税

「前作『壇蜜日記』が3万部売れたというのは、ありがたいと思う一方で、実際に買ってよかったと思ってくれたのか、常に疑問を感じます。最近、執筆仕事も少しずついただけるようになり、文字の世界が近づいてきたという実感はあるのですが、ちょっとしたことで、すぐに縁がなくなりそうな気もしますね」

 そう慎重に語る壇蜜さん。好評の前作に引続き、第2弾『壇蜜日記2』が刊行された。2014年夏から2015年夏までを収録する本書の期間中には、幾つか身辺でも動きがあった。

「実家の近くに引っ越しました。ただためこんでいても顰蹙(ひんしゅく)を買うでしょうし、あんまり背伸びしても粋がっているとか言われそうですが、少しは“なりあがり”を実感しても良いかなと思いまして」

 広くなった部屋で、飼っている熱帯魚も増えた。

「いま、水槽は3つ。鯰(プレコ)も大小含め3匹になりました。熱帯魚を飼うのは、水槽の中に小さな世界を作るという面白さがありますね。私にとって、彼らの世話をしたり、眺めながらいろいろと考える時間がとても大切なんです」

 だが、読者にとってやはり気になるのは帯に大きく入った「――抱かれた。」の文字だろう。

だんみつ/1980年秋田県生まれ。東京都で育ち、昭和女子大学卒業後、調理師免許を取得、また冠婚葬祭の専門学校にも通う。さまざまな職業を経験した後、2010年29歳でグラビアアイドルとしてデビュー。その他の著書に『はじしらず』などがある。

「それがそんなにザワザワされるなんて驚きます。33、4のもう“薹(とう)が立った”と呼ばれそうな女性が、男性とねんごろになった話が表に出ただけで。『平和だなぁ』と思いますよ」

 と、苦笑する。実は書いていなかっただけで、以前にもありました?

「前作の時期には実際に色っぽいことがあんまりなかったんですが、今回はそこそこ出会いもあって、来客用に用意した枕カバーを使って洗えた年だったかなと。でも本当に“実りがあった”と言うなら、私の薬指に指輪があるはずですよね」

 色っぽい関係の有る無しの波も、読者をヒマにさせない効果が期待できるかな、と語るのは、続きも視野に入れてのことか。

「私、自分のブログを7年間に2日しか休んでいないんですよ。死ぬ気で毎日やらないと続けられない気がして。辛い時でも毎日更新しています。当たり前のことでも、こうして淡々と続けていくことが好きなんでしょう。日記というジャンルと、もっと向き合っていきたいと思います」

 当面の目標は、10年続いた『板尾日記』ですね。

「皆さんの支払った610円と税が、『壇蜜日記3』をつくります!(笑)」



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壇蜜日記2壇 蜜

定価:本体610円+税発売日:2015年09月02日