![宇宙的肯定](https://b-bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/6/4/1500wm/img_642171c4d95fa48ebdbf56b46e3c4ab8559666.jpg)
この一冊には、実にさまざまな子どもたちの姿が映し出されています。「とんでもない。まんいんです」と声をはりあげて毛布の中で身を寄せあう子たち。近視防止のため、自転車で家の周囲をぐるぐる走る子。絵本に出てくる森の家の扉を、そっと開けてみる子。「おみそ」扱いでも機嫌よく絵本の輪に加わって、お兄さんお姉さんに褒められる赤ん坊。美術書に出てくる泰西名画の文字から、ハタ画伯に興味を抱く少女。『ふたりのロッテ』をうばいあって読むきょうだい。不眠症のお父さんのため、枕元でお話を語って聞かせてあげる娘さん……。
ページのあちこちから、元気いっぱいの笑い声が聞こえてきそうです。自分だけの世界の秘密を発見して見開かれた、小さな瞳の輝きが、一行一行を照らしているかのようです。ページをめくってゆくうち、そうした子どもたちの中に、遠い日の自分を発見することになります。私も彼らの仲間だったと気づきます。この本を読めば誰でも、かけがえのない子どもの自分と、再会できるのです。
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