『もののふ莫迦』が、本屋が選ぶ時代小説大賞に選ばれ、注目を集めている中路啓太さんの最新長編『ゴー・ホーム・クイックリー』は、日本国憲法制定をめぐるドラマである。
物語の舞台は、終戦直後の昭和21年。連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の方針に従い、日本政府は、新憲法の試案をまとめたが、GHQはこれを拒否。そればかりか、GHQ憲法草案を押し付けてきた。この案をわずか2週間で翻訳し、日本の条文らしく形を整え、新憲法の下敷きにせよ、というのだ。
今作の主人公は、その翻訳にあたることになった、内閣法制局の官僚・佐藤達夫である。GHQとの協議にたずさわり、また、枢密院や帝国議会の審議に臨む吉田茂らを裏方として支えることになる。
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『リーダーの言葉力』文藝春秋・編
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