━━次作の主人公は、元首相の岸信介であり、現在は『オール讀物』誌に、シリーズ『昭和天皇の声』を執筆されています。中路さんは何故、今、昭和史を書くのでしょうか。
「司馬遼太郎さんが、日露戦争を扱った『坂の上の雲』の連載をはじめた1968年は、日本海海戦やポーツマス条約締結から63年後でした。戦後70年を超えた今、当時を実体験していない世代の作家が、昭和史を本格的な歴史小説として書いてもいいはずです。
もちろん“近い時代”を描く“怖さ”もありますが、それを乗り超えて、これからも“昭和史”を書いていきたいと思っています」
昭和史の本質を丁寧に伝えてきたノンフィクション作家・保阪正康氏が、「“戦後史の岐路”を描いた一冊」と絶賛する今作。『ゴー・ホーム・クイックリー』は、現代に生きる私たちにとって、またとない尺度になるはずだ。
〈著者プロフィール〉
中路啓太(なかじ・けいた)
1968年、東京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を単位取得の上、退学。2006年、『火ノ児の剣』で第1回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し作家デビュー。『もののふ莫迦』が、本屋が選ぶ時代小説大賞2015に選ばれた。主な著書に『うつけの采配』『己惚れの記』『恥も外聞もなく売名す』『ロンドン狂瀾』などがある。
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