- 2019.06.06
- インタビュー・対談
【対談】さらけのプロみうらじゅんが明かす『週刊文春』編集長とのエロエロな話
みうらじゅん ,新谷 学(『週刊文春』編集長)
『ラブノーマル白書』(みうらじゅん 著)
ジャンル :
#随筆・エッセイ
みうら その次が「タイガーマスク 巡礼の旅」でしたね。僕の美大の友達、トットリくんに紙粘土で「虎の穴」の像を作ってもらってね、静岡まで行って、富士山をバックに撮影しましたよね。それを『Number』で見た野茂英雄投手から後に「欲しい」って連絡がきたんですよね。
新谷 「どこで売ってるんですか?」って聞かれたから「売り物じゃないんですけど、そういうことなら差し上げましょう」となって、近鉄が料亭を取ってくれて会うことになったんです。でも、待てど暮らせどみうらさんが来なくて。場をつなぐのに困りましたよ。
みうら あの時は本当にごめん(笑)。途中で「虎の穴」像の羽根が折れちゃって、コンビニでアロンアルフア買って直してたから遅れちゃって。
新谷 でも野茂選手、すごく喜んでましたよ。ちょうどドジャースに行くときだったんで「ロスの家の玄関に飾ります」って言ってたじゃないですか。
みうら そのお礼に「虎の穴 野茂英雄」と書いたサインボールをもらいましたよ(笑)。
新谷 「タイガーマスク 巡礼の旅」は、児童養護施設の「ちびっこハウス」を再現するために、何軒も保育園に「撮影させてください」と交渉に行ったことをよく覚えています。
みうら タイガーマスクが「ちびっこハウス」にプレゼントを持っていくコマの再現写真を撮るとき、新谷さんがプレゼントの箱の形まで全部完璧に合わせてきて、ビックリしましたよ。
新谷 銀座の「松屋」に頼んで、漫画と同じような包装をしてもらいましたから。そういうところがちょっとでも違うと、気になってダメなんですよ。
みうら カメラマンに撮る角度も指定してましたよね。分ります、そのこだわり(笑)。その後やったのが「あしたのジョー 巡礼の旅」(『Number』267/1991年5月20日号)。後楽園のリングまで借りて撮影して、もはや映画を撮ってるみたいだったね。