見失いがちな「人生を俯瞰する視点」を
宝石のような言葉が思い出させてくれる
俵万智
もしあなたが今、このうえなく大切な何かを失って、暗闇のなかにいるとしたら、この本をおすすめしたい。
あるいは、目の前のことに追われすぎて、ささいなことでイラついたり、何が大事かということさえ考える余裕がなかったりするなら、やはりこの本をおすすめしたい。
ずいぶんタイプの違う人にすすめるようだけれど、つまり両者に必要なのは「人生を俯瞰する視点」だと思うから。
実はここ数ヶ月、私はかなり心に余裕がなかった。近視眼的にしか、ものを考えられない状態だった。その中で本書を開くと、日常とは明らかに違う時間が流れはじめるのを感じた。心がしーんとして、人生の中で、自分がどのへんで何をしているかということや、大事にしなくてはならない人をおろそかにしていないかというようなことを、なんというかとても清浄な気持ちで考えられるのだ。たぐいまれな美しい装幀が、そういう気持ちに寄り添ってくれることも心地よかった。(文庫化にあたって新たな装いとなると伺い、それも楽しみだ)これからも、俯瞰する目を失いそうになったら、この本に助けてもらおうと、いざというときのために何と心強い一冊を得たかと、救われる思いだった。
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プレゼント
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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