インタビューほか

人と人の心の糸は一度切れても、再び繋がる──盛岡「ホームスパン」をめぐる親子三代の物語

第二文藝部

『雲を紡ぐ』(伊吹 有喜)

「家族の時間は案外、短い」

『雲を紡ぐ』(伊吹 有喜)

 いじめが原因で学校に行けなくなった主人公は高校生・美緒。彼女の心のよりどころは、大切な祖父母がくれた赤いホームスパンのショールだった。美緒の祖父母は、盛岡市でホームスパンの工房とショールームを営んでいた。

 ところが、このショールをめぐって、母・真紀と口論になり、美緒は祖父・紘次郎の元へ家出をしてしまう。美緒がいなくなった東京では、娘の不在で「夫婦の溝」が表面化し、父・広志と真紀の間で離婚話が持ち上がる。

 家出をした美緒に会うために、盛岡を訪れた広志に対して、紘次郎は、こう語り掛ける。

“子どもといっしょに暮らした日々は案外、短かったな。美緒も高校二年生。お前のところも、そろそろ家族の時間が終わろうとしている”

盛岡の町家には、吹き抜けとなった常居がある。天井知らずで商売繁盛の願いも込められているという。

【次ページ お母さんが怖い】

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