「家族の時間は案外、短い」
いじめが原因で学校に行けなくなった主人公は高校生・美緒。彼女の心のよりどころは、大切な祖父母がくれた赤いホームスパンのショールだった。美緒の祖父母は、盛岡市でホームスパンの工房とショールームを営んでいた。
ところが、このショールをめぐって、母・真紀と口論になり、美緒は祖父・紘次郎の元へ家出をしてしまう。美緒がいなくなった東京では、娘の不在で「夫婦の溝」が表面化し、父・広志と真紀の間で離婚話が持ち上がる。
家出をした美緒に会うために、盛岡を訪れた広志に対して、紘次郎は、こう語り掛ける。
“子どもといっしょに暮らした日々は案外、短かったな。美緒も高校二年生。お前のところも、そろそろ家族の時間が終わろうとしている”
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