昭和の歴史、それも昭和二十年の敗戦に至るまでの歴史に、新たな関心が集まっています。さまざまなテーマ、さまざまな視点の書物が、世に溢れています。その中から何を選べばいいのか、どこから学べばいいのか。さらに詳しく知りたい、昭和の歴史を考えたいというときに、読み進めるべき本は何か。そういった疑問に応えてくれる歴史の水先案内人がいたらいいのに。このブックガイドは、そんなところからスタートしました。
昭和戦前期を知るうえで、その中心となるのはやはり戦争です。なぜ勝利の見込みのない戦争に突入してしまったのか? 敗戦に至る過程の中で、いかなる議論や決断が行われたのか? そして、人々はいかに苦難に対処していったのか? 先行きのみえない今、昭和の日本人が積み重ねた経験は、その失敗や錯誤も含め、貴重な学びを、私たちに与えてくれます。
本書はなかでも重要な二十一の項目を選び、各分野を代表する筆者、専門家が、昭和史を学ぶ上で欠かせない十冊を挙げたものです。それはブックリストであると同時に、それぞれのテーマの最適な入門篇でもあります。そのため、十冊のうち半分以上は、文庫・新書を含む一般書からセレクトされています。また昭和史を「知ってるつもり」の読者をも、新しい発見、より深い考察へと導くガイドを目指しました。歴史を学びなおすことで、現在、そして未来にいかに立ち向かうかを学ぶ。そんな一助になれば幸いです。
(「まえがき」より)
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