私はあらすじが書けません。
冒頭であらすじを紹介し、監督や俳優の略歴に触れ、感想に入るというのがよくある映画評のパターンですが、本連載はそのような流れで書いたことはありません。映画は演出、撮影、音楽、編集など多種多様な要素の積み重ねであり、ストーリーを取り出してうまくまとめるのは非常に難しいことです。あらすじを書かないのではなく書けないのです。
たとえば前回の記事「『ピンク・クラウド』――未来を予言してしまった映画が描く限界状況の人間関係」ではあらすじっぽい部分は78文字しかありません。ストーリーに触れないまま形式面の話に突入しています。あらすじ書くの難しいよ~。
そんな中でも特にあらすじを記すのが困難なのが、2023年1月27日(金)に公開された『イニシェリン島の精霊』です。というわけで公式サイトから引用してみます。
本作の舞台は本土が内戦に揺れる1923年、アイルランドの孤島、イニシェリン島。島民全員が顔見知りのこの平和な小さい島で、気のいい男パードリックは長年友情を育んできたはずだった友人コルムに突然の絶縁を告げられる。急な出来事に動揺を隠せないパードリックだったが、理由はわからない。賢明な妹シボーンや風変わりな隣人ドミニクの力も借りて事態を好転させようとするが、ついにコルムから「これ以上自分に関わると自分の指を切り落とす」と恐ろしい宣言をされる。美しい海と空に囲まれた穏やかなこの島に、死を知らせると言い伝えられる“精霊”が降り立つ。その先には誰もが想像しえなかった衝撃的な結末が待っていた…。
仲良しだったおじさんふたりが絶交する話のようです。
監督・脚本のマーティン・マクドナー(1970-)は、英国で劇作家として成功を収め、2004年から映画界に進出。アカデミー賞脚本賞に3度ノミネートされている天才的ストーリーテラーです。本作はアイルランド島から海で隔たれた小さな架空の島、イニシェリン島で展開されます。変わらぬ日常が淡々と続くはずだった孤島で繰り広げられるこの不思議な物語。どんな話かと言われると……一体どんな話なんでしょう?
2023年1月24日(火)。俳優のリズ・アーメッド(1982-)とアリソン・ウィリアムズ(1988-)がプレゼンターとなり、アカデミー賞ノミネート作品が発表されました。
『イニシェリン島の精霊』は作品賞を含む8部門9ノミネート(助演男優賞2名)を受けました。10部門11ノミネートの『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート、2022)、9部門ノミネートの『西部戦線異状なし』(エドワード・ベルガー、2022)に次ぐノミネート数です。その3日後の1月27日に日本公開という時期も、観客の期待を高めるのに絶妙なタイミングでした。
\\\🏅第95回 #アカデミー賞 ® ///
— サーチライト・ピクチャーズ (@SearchlightJPN) January 24, 2023
˗ˋˏ 8部門9ノミネート ˎˊ˗
꧁『#イニシェリン島の精霊』꧂
✨𝐍𝐨𝐦𝐢𝐧𝐚𝐭𝐢𝐨𝐧✨
🐎作品賞
🐎主演男優賞(#コリン・ファレル)
🐎監督賞(#マーティン・マクドナー)
🐎助演男優賞(#ブレンダン・グリーソン)
🐎助演男優賞(#バリー・コーガン) pic.twitter.com/tHyNyq3zbD
🐎助演女優賞(#ケリー・コンドン)
— サーチライト・ピクチャーズ (@SearchlightJPN) January 24, 2023
🐎脚本賞
🐎作曲賞#イニシェリン島の精霊#アカデミー賞#Oscars95 #AcademyAwards#サーチライト・ピクチャーズ pic.twitter.com/yEx3DdKRDF
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