- 2023.03.28
- 特集
ジェーン・スー『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』読者からの感想が届きました!②
『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』(ジェーン・スー)
ジャンル :
#随筆・エッセイ
ジェーン・スーさんが13人の女性たちにインタビューした『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』。感想キャンペーンにご参加いただき、本書をいち早く手に取ってくださった読者の皆さんからの熱い感想をご紹介します。
13名の女性はみんな、キラキラしていて特別で持っている人。前書きにあったそのままの印象である。
読み終わった今の感想はぐるりとひっくり返った。語られていたのは、もがいたり苦しんだりこれでやって行くんだ!と自分を奮い立たせたり、自分にも覚えのある心のうちの言葉だった。
テレビや雑誌、画面の向こう側にいる方に初めて厚みを感じたというか、光り輝いて最初からそこに存在していたのではないと、ずしっときたというか。私の中では一括りにしていた、自分とは違う特別な人達が、人間だとひしひしと感じた。
語られる出来事を繋げても、一本の線にならない感じもいい。生まれた瞬間から自分の生き方を決定して、そこに向かって一直線に進んでいくことなんてないもんな、と。山瀬まみさんの、シャネルのカーディガンを買って泣いたというくだり。明るく器用に立ち回る知っている姿は、そんな日を積み重ねて出来ている。
13名には別のストーリーがあり、このエピソードも『キラキラしている人には全員こんなフウなんだな』と一つにざっくりまとめるものでもないというのもしみじみと感じた。あとがきにある、決してあきらめず自分を信じる方法がこの本には詰まっている。仕事がうまく進まず、泣きそうな気持ちで電車に乗る帰宅中に思い出したい言葉がたくさんある。
そしてまた、10年、20年と経ったあとの13名の話も聞いてみたい。その頃の彼女たちが見てみたいし、ここからどう過ごすのか、このインタビューに答えたこの時間はどう消化されたのかも聞いてみたい。
道ゆく名も知らぬ誰かにも物語があると、そう感じる本だった。(30代・女性)
様々な分野で活躍する女性達13人のインタビュー。活躍のフィールドはそれぞれですが、全員が、周囲や社会からの期待を感じながらも「私の」人生をどう生きたいかという想いを手放さず、諦めずに貫いてきた姿勢が素直にかっこいいと感じました。
著者、ジェーン・スーさんの「たまには、自分の人生を手にした女の話に励まされ、項垂れていた頭が前を向いたっていいじゃない。」という言葉を胸に、進むべき道に迷った時にまた手に取りたい本です。(20代・女性)
親しい女友達や尊敬する同僚、身近に居る女性たちにも、そこにいる理由を聞きたくなった。
なぜなら本書の彼女たちと同じように、各々が闘ってきたこその今が、生き抜いて来た術が無数にあると思ったから。(30代・男性)
「愛とリスペクトに満ちたガイドで訪ねる13の庭」
怒涛の一日を終え、子ども達を寝かしつけ、スマホの灯りを頼りに読み始めた。心のBGMはKeiko's Samba。自ら進んで応募したくせに、いざ読もうとすると気が重かった。なぜなら私の庭は今とても荒れているし、目次には大輪の花を咲かせる女性達がずらり、いきなり気後れしてしまったのだ。
だけど「はじめに」の一文「あなただって十分に我慢強いではないか」に心震え励まされ、読み進めることができた。スーさんの愛とリスペクトに満ちたガイドで訪ねる13の庭。登場する13人は本当に特別で、あなたとは全然違う? 彼女たちの闘い方を知ることで、あなたの闘い方も変わるかも? そんな風にスーさんが優しく問いかけているような気がした。
一見遠い世界の住人にも思える女性達の、リアルで地に足のついた物語を読み終えて、私にもまだやるべき事やできる事がたくさんある、と力強く思った。
最後に、吉田羊さんの事がとても好きになった事と、辻希美さんの「(自分の時間があったら)カップラーメン食べながら動画を編集したい」が最高だった事を記しておきたい。(30代・女性)
読み終えたとき、自分の足元の地面が硬くなってしっかりと。すくっと。立っているような気分になった。
日々の仕事に急に自信がついた訳でも辿り着きたい場所が決まった訳でも何でもなくて。ただ、ジェンダーバイアスという言葉さえ未知の言語になってしまうような。男女の差が明確にあり過ぎる伝統産業の世界でもがいて踏ん張って。泣いて。泣いて。それでも仕事をしてきて。いつしか男女の給料差や仕事内容の差が大きく無いところに制度の上とはいえ辿り着けた、自分が歩いてきた道にエールを貰えた気分になれた。
勿論、組織の意識の抜本はそんなに直ぐには変わる訳はなく、課を束ねる管理職になってなお、上長から嫁さんにしては稼げてる方や。等の目の前が怒りで赤く染まるような言葉を普通にかけられる事は未だにあり日々悩み戦う日は続いている。
それでも自分が耕した畑は無駄じゃない。ともっと強く耕し先に歩く女性の、しなやかに踏ん張る生き方は私の心をとても強くし、足元は日によってぬかるむけど脚を前に出していつか辿り着きたい場所に。咲かせたい花を咲かせる人になろう。そう心に決める事が出来ました。(50代・女性)
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