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ジェーン・スー『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』読者からの感想が届きました!①

ジェーン・スー『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』読者からの感想が届きました!①

『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』(ジェーン・スー)


ジャンル : #随筆・エッセイ

ジェーン・スーさんが13人の女性たちにインタビューした『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』。感想キャンペーンにご参加いただき、本書をいち早く手に取ってくださった読者の皆さんからの熱い感想をご紹介します。


『闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由』(ジェーン・スー)

13人の先駆者たち(私よりも若い方もいらっしゃいますが、あえてこう呼ばせていただきます)が、横一列に並んで、読者の私に向かってエールを送ってくれているような、そんな本でした。

これまで、彼女たちを憧れの対象や、羨望の的として見ており、恥ずかしながら時には嫉妬ともいえる感情を抱き、私とは全く別の世界の人と考えていました。
でもこれからは、彼女達の活躍を同志として応援したい、そんな気持ちになりました。(30代・女性)


華々しく活躍している「彼女たち」の、丁寧に聞き取られた一人ひとりの人生について知った。自分とは遠い世界の人たちだと思っていたけれど、皆、私自身も経験したような、家族の中や学校、会社などでうまく行かなかったことや悔しい思いをしたこと、また、想像し得ないような人生のどん底を何度も経験している人もこんなにたくさんいるのかと驚いた。

自身が歩んで来た人生について、ここまで惜しげもなく語ってくれている姿は、私たちはこれからも厳しい世の中をサバイブしていく女の味方だよと語りかけてくれているようだった。(スーさんの聞き手としての能力の高さや話したくなる人間性というのももちろん大きな理由のひとつなのだと思う)

また、「彼女たち」のビジュアルは各項の冒頭にある素敵なイラストのみだったからこそ、より彼女たちのありのままの物語に向き合えたのだと思う。

本のページは既にラインマーカーだらけになってしまった。自分の状況によってこれからも増えていきそうだが、今後、助けてもらいたいときの拠り所になってもらおうと決めている。(40代・女性)


泣きながら読んだ。数々のキラキラ系女性誌やインタビュー記事で取り上げられるようないわゆる「カッコいい」女性ばかりが並んでいるため、実は少し構えていた。

でも本の中にはそんな女性たちのこれまでの、いわゆる挫折やコンプレックスと括られるようなことも生々しく書かれていた。それは「憧れられる存在」として描かれる彼女たちには求められない要素だからか、知らないことも多かった。抱く苦しさを越えるための日々の積み重ねや小さな闘いが、彼女たちが纏うオーラや輝きに繋がっていたんだと感じられた。闘いの生々しさと尊さに、涙が出た。綺麗な起承転結の「幻想」の成功談ではなく、今もなお、闘い続けていることが感じられるものだった。

それでいて「ドヤ」感は1ミリもない。明日自分が立つためのエネルギーになるような、親近感のある言葉が並んでいた。きっとジェーン・スーさんだからこそ引き出せる、スーさんにしか引き出せないものなのだと思う。こんなに多種多様で、生き方や哲学が異なる方々を包み込める、唯一無二のインタビュアーなのではないか。彼女たちは限りある人生、与えられた環境の中で自分が何を「選んで」「守る」のかが垣間見えたこのインタビューには、私が今後の人生で思い出すであろう言葉が沢山刻まれていた。

29歳の今、この女性たちとジェーン・スーさんの紡ぐ言葉に出逢うことができて本当に良かった。(20代・女性)


女性たちの闘いぶりを読みながら、社会人としての自分の振る舞いを根本から問われ、揺さぶられ続けた。
 
遠い世界で輝いている女性たちが語る仕事への姿勢――目の前の一つ一つの仕事に懸命に取り組む、周りが求める役割を果たす、けれど自分の軸はぶれない――。
 
会社員にも身につまされるものばかりだった…というか、これらは若手の頃、憧れていた先輩や上司から伝えてもらったことと同じではないか。そんな先輩の背中を追って、がむしゃらに頑張って、それなりの仕事を任されるようになったものの、規模や責任が大きくなるほど無理が効かない場面も増えてきた。

そして中年に差しかかり、かつての先輩の言葉を忘れて「まぁこの程度こなしておけば」と言い訳をして手を抜きはじめた自分を、嫌というほど気づかされた。そして「この程度で終わりたくない」という思いが、まだ自分に残っていたことも。
 
遠い世界にいると感じる女性たちも、自分と地続きのところで闘い抜いた結果、輝いている。明日会社に行ったら、仕事をもう一段掘り下げ、他者に確り対峙して、俺はどうしたいんだ? と考え抜こう。きっと、まだ間に合うはずだ。そう思える本だった。(30代・男性)


「はじめに」から心をぐっとつかまれました。「百聞は一見に如かずと言うが、女が自分の手と足で人生を切り拓いた話は、百聞すらままならないではないか。」「あなただって、十分に我慢強いではないか。その我慢強さを、自分のために使ったことはありますか?」すらすら読める文章なのに、時おりハッと立ち止まり、線まで引いてしまう。付箋も貼ってしまった。

齋藤薫さんの記事だけ読んでも、綺麗になれる気がしてしまった。あの映画、必ず観てみます! そして「フフフ、途中から、雑誌のスタイルが自分に合ってきちゃった」のかっこよさ! スーさんの「もはや、美容忍者だ。」という絶妙のネーミング。「化粧品って、常にきれいになること以外の目的を持たされてきたんだと思います」との、薫さんのクールな視点。

柴田理恵さんへの最後の「私が知る限り、周りに感謝を重ねる人は、夢が叶った人だ。」というコメントには、この章をここまで読んで大きく頷くことができた。

君島十和子さんへの「人より美しく生まれると、時に他者と分かち合いづらい残酷な経験を、ひとりで抱えることになってしまうのだ。」「持て余していた不器用さが、類いまれなる強さに変換された瞬間である。」というコメント、そして、夫の愛あるコメント、「夫婦あきんど物語」も最高でした。

野木亜紀子さんのシナリオを「最後まで飽きのこないパフェのようだ。」辻希美さんの出産当時20歳の不安を、新卒で彼女と同じ年数だけ働きさいしょの育休に入った女性の不安と同じ、と説明してくれたところ、彼女が3人目を出産後、子供たちの個性の違いに驚いて「もう、一人一人見ようって思いました」という、声の聞こえてきそうなリアリティも面白かった。

神崎恵さんの「なにもないときは誰にでも好かれなきゃと思ったけれど、いまは仕事という武器がある」と言える正直さ、強さ。

そして一条ゆかり先生の(昭和の子供だけでしょうか、漫画家さんを「先生」と読んでしまう。)驚くべきバイタリティ! あれだけ内容の濃い漫画を、あれだけのクオリティで描き続けることがどれだけ大変か、そのためには、これほどのエネルギーが必要だったのだと、今さらながら、気付かされました。(50代・女性)

単行本
闘いの庭  咲く女 彼女がそこにいる理由
ジェーン・スー

定価:1,650円(税込)発売日:2023年03月24日

電子書籍
闘いの庭  咲く女 彼女がそこにいる理由
ジェーン・スー

発売日:2023年03月24日

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  • 『赤毛のアン論』松本侑子・著

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