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福山雅治が考えた幻の“ガリレオ”新作タイトルは?

福山雅治が考えた幻の“ガリレオ”新作タイトルは?

「文春文庫」編集部

最新文庫『透明な螺旋』発売記念 福山雅治「福のラジオ」「地底人ラジオ」スペシャルコラボ企画レポート

出典 : #文春オンライン
ジャンル : #エンタメ・ミステリ

 東野圭吾さんの最新刊文庫『透明な螺旋』発売を記念した特別キャンペーン<東野圭吾を爆流(バズ)らせろ!>の募集がこのほど締め切られました。東野さんによるタイトル決定の選考は11月下旬に行われます。これに先立って、ガリレオこと、湯川学を演じる福山雅治さんがパーソナリティを務めるラジオ番組「福のラジオ」と「福山雅治と荘口彰久の『地底人ラジオ』」において、タイトル募集と選考が行われました。「ガリレオ愛」溢れる選考の結果、福山さんを興奮させた特別賞2作が決定しました。

(本企画の概要はこちら

 ◆◆◆

 

 文庫『透明な螺旋』の刊行からスタートしたこの企画には、のべ1万1536人から応募があり、2万9417件のタイトルが届きました。すべての応募作を東野圭吾さんに届けさせていただきます。そのうえで、東野さん自身が「実に面白い!」と感じたベストタイトルを決定し、それがガリレオ短篇の「完全新作」となる夢のプロジェクト!結果は、12月6日に発表となります。福山さんがパーソナリティを務める「福のラジオ」「地底人ラジオ」のリスナーからも、たくさんのタイトルが届きました。

「福のラジオ」に届いた<敵対る(あらわる)>、<麦酒る(びーる)>

「福のラジオ」(10/19オンエア)では、構成作家・今浪祐介さんが「ものすごい数が届きました」と、番組に届いたタイトルを紹介。

 広島県「ろん」さんからは、<隠影る(かげる)> ⇒「影にも色んな姿、形があります。なにかの影が人の形に見えたり……」。これを聞いた福山さんは、「全ての物体には影がありますからね。ロマンティックです。タイトルがかっこいい!」とコメント。

 静岡県「れき」さんからは、<敵対る(あらわる)> ⇒「湯川先生に『敵対するだけ』というライバルが出てきてほしい、という一心です」

 滋賀県「とっと」さんからは、<麦酒る(びーる)> ⇒「事件らしい事件はなにも起こっていない雰囲気で湯川先生と草薙さんが飲んでいる。しかし、ひそかに湯川先生がある事件を防いでいた、という話が読みたい」。福山さんも「湯川がどうやって未然に事件を防ぐことができたのか、読みどころですね!」とうなづいた。

 京都府の「まき」さんからは、<愛像る(アイドる)> ⇒「人が誰かに愛を抱いた時、見えるものはなにか。手の届かないアイドルへの愛だけではない。目の前にいる相手への愛だったとしても、自分に都合のよい『虚像』を見ているだけではないか」

 

「<美男る>(まさはる)」も登場。「福のラジオ×ガリレオ賞」は?

 そのほかには、<#検索る(#たぐる)>、<約束る(チギる)>、<推活る(ぬまる)>、<整形る(なりかわる)>などが紹介された。

<美男る(まさはる)>という応募を受けて、福山さんは「『まさはる』としていただく場合は、<長崎る>と書いて、まさはるでお願いします」と微笑んだ。

<東野圭吾る(なかされる)>という応募作について、映画『沈黙のパレード』でも、多くの観客を涙させた福山さんは「このタイトルは、粋でいなせですね!」と話した。

 番組の最後に福山さんは、「福のラジオ×ガリレオ賞」として、<麦酒る(びーる)>もいいなぁと悩んだうえで、<愛像る(アイドる)>を選出。

「かつて舞台女優が罪をおかす『演技る(えんじる)』(『虚像の道化師』収録/文春文庫)という名作がありましたが、この主人公はアイドルではなかった。アイドルが殺人を犯すなんて、実際に起こってはならないことですが、ミステリとして読んでみたい」と話した。

「地底人ラジオ」では、エンターテインメント性の高いタイトル案も!

 福山雅治さんとフリーアナウンサーの荘口彰久さんがパーソナリティを務める 「福山雅治と荘口彰久の『地底人ラジオ』」(10/19オンエア)でも、同企画が開催され、荘口さんとの掛け合いで選考が行われた。

「ななはる」さんからは、<私酒欲る>と書いて、「じぶんまだイケる」という応募が。これには「ガリレオの短篇タイトルのルールがねぇ……」と微笑みながらコメント。 

 

「マリン」さんからは、<密室る(とじこめる)>というタイトルが。「密室殺人といえばミステリにおいて基本中の基本ですが、湯川先生や草薙刑事、内海刑事が密室に閉じ込められてしまうお話はどうだろう?と思いました」(マリンさん)

『ガリレオの苦悩』(文春文庫)には、湯川が、ペンションを経営する大学時代の友人に呼び出されて、「不可解な事件」の相談を受ける「密室る(とじる)」という名作が収録されている。この短篇の現場には草薙も内海も登場しない。マリンさんの<密室る(とじこめる)>は、密室から3人がどうやって脱出するのかを読みたい、というものだった。このタイトルから、福山さんは、『キューブ』(CUBE)――立方体の部屋が繋がっている空間に突然放り込まれた人々の脱出劇を描く映画――を連想したという。「映画『キューブ』は怖かった。大人になればなるほど、怖い作品が楽しめなくなる。昔は大丈夫だったのに、虫を触れなくなるのと同じですね」とコメント。 

 そのほか<妖艶る(しなる)>、<凸凹る(パズる)>、などが寄せられた。

 興味深い応募作が集まったため、「地底人ラジオ×ガリレオ賞」の選考は混迷を極めた。

 

リスナーから応募が多かった“まさはる”も選考の議論に!

(福山)「地底人ラジオ賞……。どっち側に行きます? 実現性が高いものでいくか、それとも……」

(荘口)「いいタイトルが集まりましたからねぇ。さぁ福山さん、決めてください」

(福山)「それでは、で(笑)。これは湯川先生が一人二役をするんです。容姿はまったく同じだけど、中身は違う人物が出てくる」

(荘口)「リスナーからも、いろんな漢字をあてながら、という応募が多かったんですよね」

 熱烈な応募があった<まさはる>だが、「このタイトルを、自分が東野さんにプッシュするわけにはいかない」(福山さん)という“ガリレオの苦悩”を経て、残念ながら落選に!

 濃厚な議論を経た結果、最終的には<密室る>と書いて、「とじこめる」が、「地底人ラジオ×ガリレオ賞」に決定。

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』(東野圭吾/光文社文庫刊)を原作とする映画『ブラック・ショーマン』で、個性的な超一流マジシャンを演じることも発表された福山さん。

 東野圭吾さんと福山雅治さんのコラボレーションに今後も注目だ。

 

◆◆◆

 このたびは、1万人を超える方々からご応募をいただきました。心より感謝申し上げます。

 全てのタイトルを東野圭吾さんに届け、厳正な選考の上、12月6日に発表させていただきます。

文春文庫
透明な螺旋
東野圭吾

定価:880円(税込)発売日:2024年09月04日

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