天才物理学者・湯川学が主人公のガリレオシリーズ第9作『沈黙のパレード』文庫化、第10作『透明な螺旋』単行本発売記念キャンペーンの賞品として作られた『「ガリレオ」オリジナルインスタントコーヒー 湯川ブレンド』ですが、この度、映像作品で湯川を演じる福山雅治さんのオフィシャルグッズとして公式販売が決定、大きな話題となっています! 東野圭吾さんが福山雅治さん、湯川学さんが飲んでいる場面をイメージして自ら豆をチョイスした逸品です。東野さんのこだわりとして、酸味が少なめのブレンドになっています。以前掲載し反響を呼んだ、ガリレオシリーズとインスタントコーヒーの記事を再掲します。
ガリレオシリーズといえばインスタントコーヒー、というほど、主人公の天才物理学者・湯川学が研究室で愛飲する飲み物として、イメージが定着している。読者の中には、わざわざ一杯のインスタントコーヒーをいれてからガリレオシリーズを楽しむ人もいるとか。今回は、そんなガリレオシリーズとインスタントコーヒーの特別な関係をおさらいしたい。
シリーズでインスタントコーヒーが初めて登場するのは「燃える」(『探偵ガリレオ』第一章)。警視庁の刑事・草薙俊平が、捜査のヒントを求めて、帝都大学理工学部物理学科第十三研究室に、大学時代の同級生・湯川を訪ねたこんなシーンだ。
「とりあえずコーヒーでもいれよう。ただしインスタントだがね」湯川は立ち上がり、コンロで湯を沸かし始めた。
湯川はいつも、研究室を訪れる客にインスタントコーヒーを振る舞う(湯は薬缶で沸かす場合と、電気ポットで沸かす場合とがある)。その際に使う容器は、こんな風に描写されている(「燃える」同前)。
湯川がコーヒーカップを二つ持って戻ってきた。どちらも何かの景品でもらったと思われる、趣味の悪いマグカップだった。あまりきちんと洗っていないことは、見ただけですぐにわかった。
この薄汚れたマグカップは、初めて見る人を驚かせることもあるようだ。『容疑者Xの献身』には、草薙が後輩の岸谷刑事と湯川の研究室を訪れた際のこんなやりとりがある。
二つのコーヒーカップを持って湯川が戻ってきた。一方を岸谷に渡す。
ありがとうございます、といいながら岸谷はぎょっとしたように目を開いた。あまりにもカップが汚いからだろう。草薙は笑いをこらえた。
かなり評判が悪かったのか、『禁断の魔術』では、湯川なりに気を遣ってマグカップを新調したりもしている。しかしその気遣いもどこかズレているのが、湯川らしい。
湯川が二つのマグカップを持ってきて、作業台の上に置いた。
「新しいカップを買い揃えた。内海君には黄色を使ってもらおう。草薙は、こっちだ」
「変な色だな」草薙は、もう一方のカップを手にした。赤とも茶ともつかぬ色だった。
「どどめ色というそうだ。使いたがる人間が少なくて困っている」湯川は流し台に戻り、黒いカップを手にした。
インスタントコーヒーの味はどうか? 「騒霊ぐ」(『予知夢』第三章)ではシンプルに、
薄いインスタントコーヒー
とある。また、「転写る」(『探偵ガリレオ』第二章)では、
(草薙は)吐き捨てるようにいった後、インスタントコーヒーをがぶりと飲んだ。水道水の鉄臭さがたまらなかったが、そんなことに文句をつける気にもならなかった。
とあり、あまり積極的に飲みたい味ではなさそうだ(なおこの時の草薙は珍しく、湯川がどこからか出してきた残りもののポップコーンを食べながらインスタントコーヒーをがぶ飲みしている。湯川の出すインスタントコーヒーは、お茶うけなどもなく単独で飲まれるのが常なのだ)。
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