- 2025.01.31
- 特集
「物語に呑み込まれていくとは、まさにこの事」村山由佳さんの新刊『PRIZE―プライズ―』に書店員からの反響が続々!①
『PRIZE―プライズ―』(村山 由佳)
ジャンル :
#小説
,#エンタメ・ミステリ
村山由佳さんの最新刊『PRIZE―プライズ―』が2025年1月8日(水)に発売となりました。「そこまで書いちゃっていいの?!」と話題沸騰中の本作を、現場の書店員はどのように受け取ったのか。寄せられたご感想を紹介します。(全4回のうちの1回目)
とにかく面白い、夢中で読みました。
テーマがテーマだけに書店員としても一読者としても興味があった。珍しく賞の名前や雑誌の名前がそのままでどこまで描かれているのか、どこまでが実際あったのか興味が尽きないです。天羽カインの作家としての矜持を見た気がします。
宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん
◇
読み始めてすぐ、「これってある意味ホラー(怖)」と震え始める。怖いぞ、これはすごく怖いぞ。
誰もが知っている直木賞だけれど、その発表までのあれこれをこれほど詳しく赤裸々に語られたのは初めてではないか。「小説」に魅せられそこにからめとられた人々の危うさと「賞」が人に与えるナニモノかを描く。
精文館書店中島新町店 久田かおりさん
◇
中盤までは作中にも出てきた太宰治の「駆け込み訴え」を連想しつつ、本を売る側の一人として千紘に感情移入しながら読んでいましたが……後半からが一気に怖い!
ちょっと危うく見えるけれど、女性作家と女性編集者が絆を深めて成り上がっていくんだろうなという当初の予想をまんまと裏切られました。
本を作る側・賞を決める側の事情も知れて興味深かったです。
くまざわ書店長岡店 神田麻衣さん
◇
「賞」に魅了され、鬼気迫るほどに渇望していく、一人の女性作家。その姿に、人間の承認欲求や自尊感情が満たされる事で得られる興奮が、肌に熱を帯びて伝わってくるようでした。それは、誰にでもきっとある、自分の価値や存在意義を感じたいという願望。その想いが、溢れ出していく激情に、心を揺さぶられました。本書は、人間だからこそ芽生える、感情の本質に迫った傑作だと思います。
もう、物語に呑み込まれていくとは、まさにこの事。
紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん
◇
本当にここまで描いて良いのだろうかと、圧倒的リアリティに度肝を抜かれる。体中にしみわたるような迫力が胸に突き刺さる。「賞」をなぜ欲するのか…その思いが強ければ強いほど周りが見えなくなり、身を滅ぼすこともある。生々しく深い人間の欲望をまざまざと見せつけられた。
私は今書店員として、一人でも多くの方にこの作品を届けたい、という強い思いに駆られている。大切に大切に売っていきたいと思う。
紀伊國屋書店久留米店 池尻真由美さん
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それぞれに譲れないものがあって、越えてはいけない一線があって、それでもどうしても欲しいモノがあって……暴走していく登場人物達から目が離せない!
決して身を置くことのない世界の渦に、気付けば飲み込まれていました。
TSUTAYAサンリブ宗像店 渡部知華さん
◇
命がけで作家が小説をうみ、その小説にどれくらい寄り添い編んでいくのか、作家と編集者の精神の真っ向対決のようだった。これほど赤裸々に作家の欲望が書かれていて、くらくらしたが、まぎれもない真実だろう。
一線を越えたこの小説が怖くて、苦しくて、悲しくて、美しかった。
ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん
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女性作家の行動を通して読者を驚かす今作。完全に引き込まれた。欲望は果てしなくいくので終わりはない。でも主人公と共に痛みを伴う涙は未来のプライズであり美しい。
有隣堂ららぽーと海老名店 塚田亜紀子さん
◇
誰かに認められたい、褒められたい!誰だってそうなのではないだろうか。作家であれば、それは最も注目される直木賞。喉から手が出る程に欲するカインがそれに固執する気持ちが物語全体から迫ってくる。
物語の迫力に喘ぐようでした。凄い!
それぞれの想いが詰め込まれた一冊を私たちはいつも手にしているのですね。
未来屋書店大日店 石坂華月さん
◇
作家の業と性。編集者の業と性。交錯する思いがときに苦しい。
これから先の文学賞を見る目がまた少し変わる気がする。
AKUSHU BOOK&BASE 石田美香さん
◇
狂いそうなぐらいの思いを持って出版まで漕ぎ着ける作家の生き様を見た。
水嶋書房くずはモール店 枡田愛さん
『PRIZE―プライズ―』のためし読みはこちらから!
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