- 2024.12.20
- 特集
「小説は魔物で、人生をいとも簡単に変えてしまう」桜木紫乃さんから寄せられた村山由佳さんの最新刊『PRIZE―プライズ―』の感想がアツすぎる!
『PRIZE―プライズ―』(村山 由佳)
ジャンル :
#小説
村山由佳さんの最新刊『PRIZE―プライズ―』が2025年1月8日(水)に発売となります。本作は“人気作家”が主人公のお仕事小説……ですが、一筋縄ではいかないスリリングな作品です。文学賞という栄誉を貪欲に追い求める作家の、底知れない欲望のエネルギーに満ちた一冊。
本作の刊行に際し、「オール讀物」での連載時から愛読してくださっていた作家の方々から推薦文を頂戴しました! 本稿では桜木紫乃さんから頂戴した熱いご感想を紹介いたします。
桜木紫乃さん
作家も人間、編集者も人間。どの人物も、愛しくて仕方ない。
作者も、愛しさ100%で書き綴っていたのではないかと思いました。
……登場人物の何人かをよく知っているような気もするのですが……、
気のせいかもしれません。
「よほどの天才でもない限り、それができない書き手は消えてゆく」
「プライズ」には、「それ」がすべて書かれていました。
小説は魔物で、人生をいとも簡単に変えてしまう。
取り憑かれたら最後、地獄を見せるまで離れない。
書き手にも編集者にも、それは等しく。
過去、直木賞についてこんなにも分け入り、作家と編集者を同じ配分同じ余白で描ききった小説はなかったろうし、これからも出てこないだろう。
震えるほどのリアリティそして、書き手と編集者への戒め。感服です。
直木賞は、いただいてからのほうがしんどいのです。
ここまで書けるのは後にも先にも、業界を俯瞰できる筆を持った村山さんしかいなかったと思います。
直木賞は、欲しくてしょうがない人のところには
来ないものだと聞きました。
理由は「プライズ」に書かれていました。
編集者石田三成の、小説への誠意と敬意が、長く世に残りますように。
原稿をまん中に挟んでこその、編集者と小説家。
それぞれが見ている方角に、どうか澄んだ空がありますように。
個人的に、飄々としたカッパがエロガッパに進化したところ、大笑いしました。
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