作品
巻頭対談は西村賢太さんと壇蜜さんという異色の顔合わせ。お互いの執筆スタイルから始まった話が、SM論へとつながる意外な展開に。
母と少年は昭和という時代を懸命に生きた。明るい笑顔に隠された出生の秘密とその波乱に満ちた半生を描いた、初の半自伝的青春小説。
戦後の〝空の主権〟奪還を描く表題作ほか、成田管制塔占拠事件、日航機墜落事故など、元航空管制官が綴る小説・航空管制昭和史
道端で倒れ伏す犬を助け、共に暮らし始めた少年。同じ年に生まれた一人と一匹は無二の親友となるが、人と犬の寿命の差は残酷だった。
食器洗いに風呂掃除に電話料金の支払い…苦手な生活をおもしろがろうと差し込む腹痛を堪え考えた、共感と哀愁を誘う爆笑エッセイ。
連続殺人の捜査に駆り出されたヴェルーヴェン警部。事件は異様な見立て殺人だと判明する…掟破りの大逆転が待つ鬼才のデビュー作。
母親の思い出から三十年前の京都旅行、『吾妻鏡』領主、郵便配達人まで――自在に空間と時間を往来する、「私」を巡る五つの物語。
とんかつの名店情熱とん。看板娘の密かな特技は客の好みと寸分違わぬ味噌汁を作ること。とんかつ屋のコンカツをめぐる4つの物語。
シュールな近未来ものあり、不条理な家族小説あり。不気味で、不穏で、グロテスク、鬼才の筆が炸裂する、圧倒的衝撃的な作品集。
〈奇跡の蜂蜜〉を作るポロウ村に転校してきたレオ。蜂蜜の秘密に関わる旧家の娘サリーは、それから次々と不思議な出来事に出会う。
地唄の名人である盲目の父親と、アメリカに渡った娘との凄まじい愛情の確執、芸へのひたむきさを描いた著者初の記念的長編。
女犯の咎で寺を追われた僧侶、王昭君の肖像画を描く画家の懊悩。人間普遍の精神の血しぶきを鮮やかに描く初期傑作短篇集!
家は壊れなかったけれど、心の中で、何かが変わった。あの震災のあと、誰もが経験した違和感、以前とは違う日々。心に刺さる4篇。
両足を骨折した作家ポールは「大ファン」を自称する女に監禁された。狂気に侵された女のもとから脱出することはできるのか——?
常に男達の争いの的になる「災いの女」でありながら、貪欲に幸せを追い求めた白草千春―絶妙の女一人語りによる現代版・好色一代女。
とある地方都市。軽自動車を手に入れた予備校生の、変わりゆく日常、そして恋。疾走する青春小説。第142回芥川賞候補作。
通夜に集まった昔の仲間たち。かつて誰もが恋した美しきチェリストとの再会が、男たちの運命を変えていく。著者最後の純愛長編。
作家志望の男はある作家と親交を持つ。デビュー時に注目を集め、賞の候補にもなった作家だったが……。味わいの異なる四篇を収録。
ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。
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