全国の書店員が日本で一番面白い書店フェア企画を競い合う、出版業界横断プロジェクト「Book Fair Championship」(以下、BFC)。2026年1月16日に直木賞作家・角田光代さん、芥川賞作家・滝口悠生さん、フラヌール書店店主・久禮亮太さんらによる最終審査会が行われ、第2回BFCのベスト10フェア企画のトップ3、第1位から第3位までが決定しました。
今回選出されたトップ3のフェア企画は、全国の書店で過去 1 年間に実施された書店フェア企画の中からエントリーされた82件を対象に、企画の独自性、切り口の新しさ、本の届け方における創意工夫などが総合的に評価されたものです。
【第2回BFC 上位3フェア】
1位:ペア読(江藤宏樹、藤原さゆり 広島蔦屋書店/広島県)
2位:本でめぐる人生ルーレット(永山裕美、橋本枝実 梅田蔦屋書店/大阪府)
3位:わたしが、わたしのからだを孤独にしないために―産むことと、産まないことのあいだ(舟喜さとみ、𠮷元咲、朝倉千恵子 本屋 B&B/東京都)
【ベスト10フェア企画(以下、エントリー順)】
・物語で、ひとやすみ(小西康裕 正和堂書店/大阪府)
・ポケ本カードバトル(小田朋佳 コーチャンフォー若葉台店/東京都)
・文庫ガチャ 今日読む本を占いで決めよう!本占い(松下佳苗 MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店/静岡県)
・装画美術館(岡田菜織 HMV&BOOKS SHINSAIBASHI/大阪府)
・「※これは実験です あなたはどっち?」フェア (山中由貴 TSUTAYA中万々店/高知県)
・恐い屋書店(こわいやしょてん)(川口聡大 未来屋書店四條畷店/大阪府)
・願いごとになりたい折り紙たち(臼井洋明 ジュンク堂書店鹿児島店/鹿児島県)
見事、第2回BFCチャンピオンとなった広島蔦屋書店のフェア「ペア読」は、“ペア”と“ペアレント”の2つの意味を込められ、親と子どもが「同じ時間に」「同じ部屋で」「同じ本を読む」という新しい体験を提供するもの。本は読むだけではなく、読んだ後に誰かと語り合うことも楽しい時間です。親子でそのような時間をつくってほしい、という想いから企画されました。
2月2日には今回第2回チャンピオンに選出された「ペア読」への贈呈式が行われた後、昨年初代BFCチャンピオンとなった、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店の書店員・久保田理恵さんによる新たなフェア企画「MJ新静岡店流 書籍百物語」が王座の座をかけて激突。最終選考の審判員の角田さん、滝口さん、久禮さんによって「ペア読」が第2代BFCチャンピオンに認定されました。
2代目BFCチャンピオンベルトは棚橋弘至さんが贈呈!
企画を実現した書店員の江藤宏樹さん、藤原さゆりさんによれば「今回選書した本は、家族がテーマとなっている本が多く入っています。子ども目線でみる家族、大人目線でみる家族、それはきっと違うはず。その違いを親子で感想を伝え合うことを通して、コミュニケーションが生まれ、本について話をする楽しさを知り、もっと読書が好きになる。そんなことを想像しながら本を選びました」。
同じ本を2冊にまとめるために使われている、可愛らしいオリジナルキャラクターの札をつけたゴムバンドは、家でミシンを使って1つずつ縫った手作りだそうで、「この取り組みは、本屋さんだけに限らず、いずれは学校や図書館、公民館などにも広げていければと思っています」と語ってくれました。
審査員の角田光代さんは「親子でなくても友達や恋人同士でも、ペア読は成り立つ点が面白いと思いました。本を紹介するだけではなく、同じ本を一緒に体験するという読書の機会を提案することがすばらしいですよね」と述べ、ほかにも「特に心に残ったのは、『本でめぐる人生ルーレット』のフェアです。最初に見たとき、思わず涙が出てしまうほど印象的でした」と続けました。
さらにBFCチャンピオンベルトのスペシャルプレゼンターとして、読書家としても知られる新日本プロレスリングの棚橋弘至さんが登場。棚橋さんも「2冊の売り上げが一度にという着眼点もいいし、その2冊の先にはどう読んだかという感想を語り合う未来までも考えた企画」と、「ペア読」を高く評価しています。
「今回の王者の江藤さん、藤原さんは次回はチャンピオンベルトを防衛する立場。ほかの書店より何歩も先にいっていてほしいです。『暮らしの中に修行あり』という言葉がありますが、フェアを考えるという負荷を自分にかけることで、何気ない普段の一日でも修行の場となり、成長の機会になると思います。書店同士の争いが激化すればさらに盛り上がるので、全国の書店員のみなさんには、ぜひBFCに挑戦してほしい」と檄を飛ばすと、江藤さんも「来年は2冊ではなく、3、4冊くらい売れる企画を目指します(笑)。挑戦者かかってこいや!」と応戦。会場は大いに盛り上がりました。
あまり知られる機会のなかったユニークで面白いフェアや、それを創り出す優れた企画力を持った書店員を全国に広めていくこと、そして本の売り手である書店員の企画意欲を掻き立て、書店の売場が更に魅力的になり、多くの読者が書店に足を運ぶきっかけになることを目指した「Book Fair Championship(BFC)」。これからの挑戦にますます注目が集まりそう!
なお、第2回BFCチャンピオン決定を記念して、2026年2月10日より広島蔦屋書店にて、3月2日より順次全国の蔦屋書店(一部店舗を除く)で「ペア読」フェアは拡大展開されます(福岡天神蔦屋書店では現在も展開中)。詳細は蔦屋書店ポータルサイトでご確認ください。









