私は、若き記者時代に幸運にも土光に出会い、大きな影響を受けたが、生の土光に出会うことなく、三・一一の衝撃を契機にジャーナリストとしての責任感から残された文献にあたり、取り壊し寸前に「清貧と改革」の“聖地”「メザシの土光邸」にたどり着き、映像に収めた著者の気骨ある生き方に敬意を表したいと思う。
かつて私も籍を置いた民放テレビ局の、看板報道番組のニュースデスクとして土光邸を取材し放送しながら、著者には満たされぬ思いがあったに違いない。三・一一大震災当時から「政治家の言葉が軽い」と憤っていたが、それは同時に、職業人として「深い見識と的確な判断力で慎重に言葉を選びつつニュースを伝えるべき」立場の人たちの、言葉の軽さに対する憤りでもあるのだろう。日々の仕事の傍ら執筆のための取材を重ね『清貧と復興』を誕生させた著者の素朴な思いを読みとってもらえればと思う。
プレゼント
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『リーダーの言葉力』文藝春秋・編
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