書評

担当編集者が語るガリレオ短編の最高峰

文: 別宮 ユリア (文藝局編集部)

『禁断の魔術 ガリレオ8』 (東野圭吾 著)

『禁断の魔術』 (東野圭吾 著)

 それでも心配はしていませんでした。担当編集者として15年仕事をご一緒してきた経験から、東野さんが最後は必ずやり遂げることを知っていたからです。これは確信ではなく、事実なのです。ですが──まさか、こんなことになるとは。想像の埒外の展開が待っていました。

「短編集、2冊出しませんか?」

 そんなご提案を受けたのは、今年に入ってすぐのことでした。もともと短編にしては長い作品ばかりだったので、ずいぶん分厚い本になりますねぇ、とは話していたものの、2冊? どうやらアイデアを温めていた『猛射つ』が相当な長さになる感触だとか。それにしても、その時点で形が見えていた作品は5編。2冊に分けると逆に薄くなりすぎないか? 本数も足りなくないか? 即座にそんな疑問が頭を過ぎります。「あと3本、書きます。全部で8編、4編ずつで2冊。そして2冊目は雑誌に発表せず、書き下ろしにしましょう」

“ネタ切れ” “アイデア枯渇”が一転して、短編集2冊。おまけに1冊は書き下ろし。こんなことになるとは……。しかもその内容たるや、〈ガリレオ短編の最高峰〉という言葉を使うことに、わたしは何の躊躇いもありません。

 どうか皆さん、その出来栄えをご自身で確めてください。

禁断の魔術東野圭吾

定価:本体660円+税発売日:2015年06月10日


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