インタビューほか

映画「真夏の方程式」のプロデューサーに聞いた「活字の力、映像の魅力」

鈴木 吉弘 (映画プロデューサー)

『真夏の方程式』 (東野圭吾 著)

『真夏の方程式』 (東野圭吾 著)

 僕と「ガリレオシリーズ」の出会いは、先輩プロデューサーに勧められたのがきっかけです。物理学者が主人公で、外国の探偵小説みたいに短篇で完結していて、トリックがよくできていて、キャラクターが立っている。テレビ向きなんだよ、と。それですぐに『探偵ガリレオ』と『予知夢』を買いに走りました。

 実をいうと、一番惹かれたのはタイトルだったんです。「探偵ガリレオ」というからには、事件がおきて、理系的な何かが絡んで解決していくんだ、というのがすぐに伝わります。素晴らしいタイトルで、ヒットのオーラが立ち上っていましたよ(笑)。

 ただ、ドラマの企画は局内では最初は見向きもされなかったんです(笑)。でも湯川みたいな魅力的な変人キャラは使えるかな、とずっと思っていて。その後、紆余曲折はありましたが企画が通り、福山雅治さん主演で、ドラマ「ガリレオ」と映画「容疑者Xの献身」を作ることが出来ました。おかげさまで大ヒットしましたし、福山さんも〈湯川=ガリレオ〉がご自身の当たり役だと思って下さったので、またやろうという話は当時からあったんです。

 ですから『真夏の方程式』は、当然、映画原作の第1候補でした。ただ悩んだのは、前回はドラマをファミリー向けにして、映画はテイストの違う大人向けにした。ある種の裏切りで話題性を提供できたけれど、その手は1回限りではないか。今回は、とにかく派手に作るのが、お客さんの求めているものではないかと考えたんです。すると、『真夏の方程式』は深い人間ドラマなので、構想から外れてしまいます。

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