- 2012.03.15
- 書評
「塀の中のホリエモン」は元気です……。
文:杉原 光徳 (メールマガジン編集スタッフ)
『刑務所なう。ホリエモンの獄中日記195日』 (堀江貴文 著)
ジャンル :
#随筆・エッセイ
肝心の堀江も、最初の2ヶ月間くらいはなんとも不安定な心境を送ってきたのですが、現在では元気そのもの。先日、仮釈放となった鈴木宗男氏から「郷に入っては郷に従えで、与えられた環境になじむのが1番。意識改革ですよ」と伝えて欲しいと言われましたが、堀江は「白米は水っぽい。麦メシのが美味いよ」「面会でシャバの話をされても羨ましく思わなくなった」など自然に刑務所慣れしています。
それは面会中の明るさが徐々に増していることでも感じます。
基本的に尾籠(びろう)な話が中心で、ウォシュレット生活から離れたことで“ちり紙談義”に花が咲き、田原総一朗さんが来てくださった際には差し入れのエロ本について熱く語り、津田大介さんとの面会では、色や形状など聞きたくもない便の状態を克明に伝え、ひろゆきさんのときには刑務所のオシャレについて熱弁をふるっていました。
巷では「中2病」なる言葉がありますが、かつて100億円を超える金額を動かしていた男が、思春期の中学2年生並の会話をするさまは圧巻です。
実は、刑務所生活のストレスから、腎臓結石となり未だ血尿が出ていたり、医師の診断を受けるレベルの痔になるなど、シャバに居れば大慌てで病院に駆け込んでいただろうことすら、淡々と話せるようになっております。
最近は昔よりもパワフルになっている印象すら受けてしまいます。
時間を持て余して、いろいろと考えが進みすぎてしまうのでしょうか? 面会や手紙では、本人不在の状況で困り果てている僕を知ってか知らずか、新しい事業展開の話をバンバンと投げてくる状態です。いきなり、「飛行機の免許を取りたいから勉強する資料を一式送って。実技は無理かもだけど、学科だけやってしまうから」とスタッフを困惑させたこともありました。
いままで刑務所といえば重く暗い場所として認識されていたと思います。もちろん今もその状況に大きな変わりはないとも思います。しかしながら、その状況すらも克服していく様からは、人間の強さや本質などを感じることができます。是非、本書を手にとっていただき、リアルな「刑務所の中」と、上場企業の社長から逮捕という人生のジェットコースターを体験した人物のマインドを感じ取ってもらえればと思います。
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