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理念のない民主党は 日本を財政破綻に追い込む

理念のない民主党は 日本を財政破綻に追い込む

「本の話」編集部

『裏切りの民主党』 (若林亜紀 著)

出典 : #本の話
ジャンル : #政治・経済・ビジネス

  二〇〇八年のリーマン・ショックでアイスランドが破綻し、今はギリシャの危機が報じられていますが、他の国の破綻と日本が違うのは、外国に借金をしていないことです。だから、例えばアメリカが国債償還を求めて攻め込んできたりとか、あるいは為替が暴落したりとか、そういうことはないです。単に日本人の年金と預金がなくなるだけ。でもそれっていうのは諸刃の剣です。どういうことかというと、日本が破綻しても外国はそんなに困らない。ということは誰も助けてくれないんです。アイスランドの破綻では世界経済が困るということで、日本が十兆円のおカネをぽんとIMFに貸してしのぎました。だけどいまの状況では、日本が破綻したときに助けてくれる余力のある国はないし……。

──いま民主党に欠けているのはリーダーシップでしょうか。

若林  リーダーシップもそうですが、まず理念がありません。
  何で約束を守らないのかと考えて、結局行き着いたのは、民主党の議員たちって別にそんなに無駄や天下りをなくしたいとは思っていないんです。彼らの願いはただ一つ、政権交替だったんです。結党宣言書というのを見ました。民主党の目的は政権交替、それだけだったんです。彼らにはもう理念がない。後はこの政権を維持することだけ。といって自民党も頼りない。では、どうしたらよいか。民主党の中に小沢幹事長から枝野(えだの)行政刷新大臣までいるように、自民党のなかにも右、左、沢山いるんです。だから私が次に望むのは、それらをひっくるめた政界再編です。行革を核にした政界再編が起こるといいなと思います。というより、起こらなければ日本は破綻してしまいます。外交の問題も新産業の開発も経済の問題も大切ですけれども、世界基準の視点で見て、日本にいちばん差し迫った危機というのは財政破綻だからです。

──次の選挙に向けてどこを見たらよいですか。

若林  各党が、財政破綻回避の意志と戦略を持っているかを見てください。IMFの警告を無視するのでなく受け止めて、回避のシナリオを示す政党に一票を投じましょう。まず天下りと無駄遣い撲滅をできない『裏切りの民主党』にはお灸(きゅう)をすえてやりましょう。

裏切りの民主党
若林 亜紀・著

定価:1650円(税込) 発売日:2010年04月23日

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