- 2015.01.01
- インタビュー・対談
「集団的自衛権ってそもそも何なのよ?」
安全保障のエキスパートが素朴な疑問を解決します!
「本の話」編集部
『日本人が知らない集団的自衛権』 (小川和久 著)
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#政治・経済・ビジネス
安倍政権は憲法解釈を変更し、「集団的自衛権」を認める閣議決定をおこないました。総選挙後の国会では、これが最大の焦点となる見込みです。しかし、政府の説明は難解でわかりにくく、理解できる人は少ないでしょう。新聞やテレビの報道もしかり。 そんな中、安全保障のエキスパートである小川和久さん(軍事アナリスト)が、中高生でもわかるQ&A方式のスタイルで、「集団的自衛権のそもそも論」を1冊の作品にまとめました。小川さんに素朴な疑問をぶつけてみましょう。
――なぜ「集団的自衛権」の作品を作ろうと考えたのですか?
ひとつには、マスコミ報道に対する「怒り」です(笑)。
じつは集団的自衛権に関する新聞報道は誤報だらけです。読者が勉強しようと思って一生懸命新聞を読んでも、むしろミスリードされてしまうような記事が多いのです。テレビの討論番組も、防衛の現場を知らない“識者”を集めて「賛成か反対か?」を問うばかりで、一般の視聴者どころか私がみてもさっぱりわからない。
このままでは「そもそも集団的自衛権って何?」という根本のところが日本国民・有権者に正しく理解されないまま、私たちの国家の命運が左右されてしまうということになりかねません。これでは健全な民主主義ではありません。
そこで、軍事や安全保障のことを何も知らない読者でも、集団的自衛権について初歩から正しく理解できる作品をつくりたいと考えたのです。
本書の出発点はいたってシンプルです。
第1に、そもそも「国家の平和と安全をどう確保するのか」を考えること。
第2に、日本の防衛力の現状を直視すること。
たった2つのポイントですが、これはどんな国であっても、国を守るうえで欠かせない視点です。しかし、今の日本の集団的自衛権をめぐる議論では、この視点が決定的に欠けたまま進んでしまっているのです。
――軍事や安全保障というと、難解なイメージがあります。工夫したことはどんなことですか?
一般読者が疑問に感じやすいポイントを絞って、Q&A方式にしたことです。
「なぜいま集団的自衛権なのですか?」「そもそも集団的自衛権とはなんですか?」といった素朴な疑問を40項目集めました。
それに対する回答は、「高校生や意欲的な中学生が読んでもわかる」レベルとし、平易な文章で解説してあります。
たとえばこんな図表も豊富に入れて、「見てすぐわかる」イメージも大切にしました。