谷口 残念だったのは、締め切りの関係で平松さんの文章を読まずに描かざるをえないことが多かったことですね。連載が始まった当初は文章が間に合ったんですが、あとの方は取材のときに写真を撮って、それをもとに絵にしていくことが多かった。
平松 食べ物の取材は、実際に現場に出かけないとわからないので、原稿はすべての取材を終えてからになってしまって。ご迷惑をおかけしました。
谷口 文章には平松さんが感じたことが入っているから、本当は読みたかった。セリフも変わってくるし。
平松 締め切りの一カ月以上前に原稿をお渡しすると、また違った趣きのある画になったかもしれませんね。
谷口 ただ、漫画の場合はあらかじめ原作を準備しておくことができるけれど、食べ物の連載は旬があるから、時間がたつと季節感がずれてしまう難しさがある。
平松 文意に添った画よりも、まったく違う角度から見たものの方が読者としては楽しいですよね。
谷口 たしかにそうですね。文章と同じだと面白くないかもしれませんね。
平松 上野の聚楽台も、おばちゃんが背中丸めて食べている画を描いてくださったことで、“こういう雰囲気だったんだ”と伝えてくださいました。
プレゼント
-
『赤毛のアン論』松本侑子・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。