気心知れた女友だちの集まりを想定して選んだカテゴリーが、「会話がはずむ女子会さしいれ」。女同士なら、切り分けたり別添えのソースをかけたりと多少手間のかかるものでも嫌な顔をされないし、「これはこうやって食べると一番おいしいんだって!」などの薀蓄を披露しても、なんだか盛り上がりますよね。だから、ちょっと凝ったものを持っていこう! っていう提案をしております。
仕事の場でもオフタイムでも、ゆっくりお昼も食べられないくらいにがんばる“仲間”へのさしいれとして選んだ「空腹を満たす軽食さしいれ」は、思わずよだれが出るラインナップ。「吉祥寺さとう」のメンチカツが、ほかほかの状態で、おいしそうなにおいとともに届けられたら……過酷な現場に、歓声がおこること間違いありません。このメンチカツ、かなりの大きさなのですが、なぜかペロッといけてしまうんです。胃もたれもしません。冷めてもおいしくいただけます。
そのほか、ほっぺが落ちそうな生クリームあんぱん、パリパリの薄皮がたまらない鯛焼きなどを紹介しています。
映画やドラマの撮影現場には大勢のスタッフがいるので、メンチカツやあんぱんも、何十個も買って持っていくこともあるんですが、そこまでボリュームが必要ない場合は、ちょこちょこつまめるおかきやクッキーが定番。「みんながつまめる手軽なさしいれ」というカテゴリーでは、人気の高いチーズ系のおかきや揚げせん、エコルセやルマンドなどの懐かし系お菓子を集めました。
さしいれにおいて「遠慮なくつまめるかどうか」は、とても大事なことです。ひとつひとつが小さくて個包装されているといった形状だけでなく、「京都お菓子の部屋」の手巻納豆みたいに「何これ!?」と興味をひく面白さや、「味の花壇」の和風マヨネーズやチーズ梅のおかきみたいに、「食べたことないけど食べてみたい」と思わせる珍しさも、手に取りやすい一因となっていると思います。
ときには襟を正し、少し背伸びをして選ぶこともあります。「目上の方にきちんと手土産」で紹介している風格ある和菓子は、もともとは誰かからいただいて、とてもおいしかったので自分も誰かにさしあげたい、と思ったものが多いです。
名古屋で仕事をしたときにいただいた「芳光」のわらび餅は、フルッフルのとろけるようなわらび餅の食感、甘さ控えめの上品な餡に衝撃を受けました。名古屋のお店でしか買えず、お渡しするなら当日中……とハードルが高いのですが、それでもこの味のために名古屋に行きたくなるほどです。そこでしか買えないものや季節限定のものをさしあげると、相手を敬う心がより伝わるんじゃないかと思います。
食で季節を感じるって、素敵なことですよね。ここで紹介したもの以外の10のカテゴリーの中には、「クリスマス」「お正月」「バレンタイン」「春」「夏」と時節ごとのものもあります。
お正月に取り寄せるのが恒例となっていた「本田水産」の牡蠣と、「お酒がすすむさしいれ」で紹介している「蒲鉾の水野」のちぎり天は、どちらも宮城県の海沿いに生産現場があり、津波の被害が心配でした。現在は生産を再開されたと聞いて、これからも変わらず、この味を応援できることがうれしいです。
102品すべて、たけうちマルシェ店主として、本気で探した味ばかりです。まずは読者のみなさまに、この味をお届けしたい。そしてさまざまな用途でご活用いただけたら幸いです。
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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