Kとは誰なのか? 紗月と希美子の過去に何があったのか? そして、この三人の物語がどのように繋がっていくのか? 謎解きをしていく感覚で読み進めていくと、ラストにあっ! と驚く展開が待っており、見事としか言うことができないほど、三人の女性の物語は一つの物語に収斂されます。
さらに言うと、二回目に読む時はますます面白くなります。アカシア商店街の人々、梅香堂のきんつば、「さっちゃんファンクラブ」、こんなに色々なところにヒントがちりばめられていたのか! と嬉しいような悔しいような気持ちになることうけあいです。これから読まれる方は、是非、二回連続で読むつもりで本書に挑んでください。
本書は、この構成の巧みさに目が奪われがちですが、やはりテーマは、湊作品を貫く「母と娘」。『告白』が「黒」だとすれば、本書は「白」。『告白』の主人公とはまた違った母の強さ、女性のしなやかな美しさ、母と娘の強固なつながりを描いたところに、湊さんの意欲を感じます。
「『告白』を代表作にしたくない」と、最も強い思いをこめて、本書は書かれたような気がしてなりません。真っ白な気持ちでお読みいただくことを願っています。
プレゼント
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。