斉藤 トイレは扉も仕切りもなく、頑丈な鉄格子があるだけの丸見え状態になっていて、その名も『晒(さら)し便器』があるんだよね。便座はなく、便器の上の三〇cm以上離れたところに便座風の台が設置されて、そのまた上がはりつけ台になっていて、両手首を拘束する鎖と革のベルトがある。
内澤 私、いままで数多くのトイレを見てきましたが、はじめてのタイプでありました、ええ。
斉藤 あとでメーカーに聞いたら、アレは「汚物流し」という、病院などで尿瓶などに入った汚物を処理、洗浄するために使う商品だそうで、どうりで便器として使いにくいのも当然なんだよなぁ。
内澤 えっ、使ったんですか?
斉藤 もったいないから、僕だけ泊まったじゃない、そんときに。まぁ、詳しくは本を読んでもらって……。話を強引に変えるけど、僕としては小学校のトイレも気になったトイレのひとつだった。
内澤 昔とちがってきれいな場所になってましたね。臭くて汚い場所というイメージがありましたもん。明るくなってて、そして入り口に扉がない。
斉藤 設備が格段によくなっているのはもちろんだけど、トイレ掃除を児童がやってなくて、主事さんや専門の業者が掃除しているというのが腑に落ちない。
内澤 なんだかPTAから不衛生だと、クレームがきたんだとか。
斉藤 でも、自分たちで掃除することで、トイレを汚しちゃいけないっていう意識が高まるんじゃないのかな。なんか、納得いかないんだよなぁ。
内澤 確かに、昔はトイレ掃除って当番制で、皆やってましたもん。
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