- 2013.04.18
- 書評
若い社員に急増。企業はどう対処すべきか?
文:小堺 正記 (NHK大型企画開発センター チーフ・プロデューサー)
『職場を襲う「新型うつ」』 (小堺正記 著)
ジャンル :
#ノンフィクション
具体的対策のヒントを
まさに人材の危機。「企業の存立はおろか、日本経済全体の活力を奪いかねない」と警告する経営者もいた。どうすればこの事態を克服できるのか? 私たちはそこに主眼を置き、対応に苦慮する人事担当者や具体的対策に乗り出した企業、そして医療現場や“新型うつ”患者自身に取材を行った。
参考にしたのは「ひきこもり」の研究で知られる精神科医の斎藤環さんの著書『「社会的うつ病」の治し方』にある次の視点だ。
〈いつの時代も変わらないうつ病の本質なるものがあり得るとすれば、それは「適応の病」という点に尽きるのではないでしょうか。その時代ごとの主潮を占める価値規範や倫理観への「過剰適応」が、うつ病のスタイルを決定づける〉
症状や傾向の差異を捉えてどんな病気なのか、また病気でないなどとジャッジするよりもまず、「社会的な病」であると大づかみにして考え、その対策に焦点をあてたのだ。
本書には、番組にパネリストとして登場していただいた斎藤環さん、教育評論家の尾木直樹さん、気鋭の社会学者・古市憲寿さんの考察に加え、ジャーナリストの江川紹子さん執筆による「あとがき」も収録されている。
必ずや、予防・対策のヒントが見つかるはずである。経営者、管理職、人事担当者、さらには就活中の学生やその親世代にも読んでいただきたい。
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