(2)理想のオトコを見つけて、恋のシミュレーション
今や草食系男子に押され、絶滅危惧種となってしまった肉食系男子。野心旺盛で恋愛にも積極的なオトコの魅力にあふれた肉食系男子を探すなら、歴史小説の世界へ。史実を詳細に取材し、舞台となった土地へ頻繁に足を運びながらも、取り上げる人物をよりドラマチックに描く傾向のある司馬遼太郎の作品に理想のヒーローを見つけるのはたやすい。
たとえば『燃えよ剣』に登場する土方歳三や沖田総司ら新選組のオトコたち。その悲劇的な結末を知っているだけに切なさがこみ上げる。新選組の志士が登場する“司馬本”は他に連作短編集『新選組血風録』(角川文庫)もある。大人のオトコがいいなら『翔ぶが如く』。西郷隆盛と大久保利通という友情よりも信念を貫く強さを持った大人のオトコたちが楽しめる。母性本能をくすぐるオトコなら『義経』を読もう。戦では天才ぶりを発揮しながらも、平時には情にほだされて権力者に利用されやすい“ちょっぴりダメンズ”な源義経がいい。
『燃えよ剣』
幕末の動乱期。土方歳三が幼馴染の近藤勇や沖田総司らとともに新選組を結成し、京都や鳥羽伏見での戦いを経て、函館五稜郭で非業の最期を遂げるまでの生涯を描いた。“鬼の副長”として恐れられた歳三とお雪との切なく美しいラブシーンも。(新潮文庫 上下)
『翔ぶが如く』
ともに薩摩に生まれ、明治維新の立役者となった西郷隆盛と大久保利通。新政府でも重要な地位にあった二人だが征韓論をめぐり意見が決裂。友情を捨て、薩軍VS政府軍として戦火を交える。無骨ながらも誇りに満ちた二人の薩摩隼人が魅力的。(文春文庫 全10巻)
『義経』
一の谷、屋島、檀の浦と、兄・源頼朝のもとで幾多の輝かしい武功を立てた義経。後世に名を残す軍事的天才でありながら、平時に必要な政治感覚に乏しい義経は、そのカリスマ性も仇となり、徐々に鎌倉の頼朝から疎まれるようになっていく。(文春文庫 上下)
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