- 2010.09.20
- 書評
ボケない人生を始めよう
文:白澤 卓二 (順天堂大学大学院教授)
『100歳までボケない101の方法――脳とこころのアンチエイジング』 (白澤卓二 著)
ジャンル :
#趣味・実用
100歳を超えて、自立して生活ができ、人生を楽しんでいる人たちのことを尊敬もこめて「百寿者」と呼んでいる。
高齢になるほど、自立して生活するのがむずかしくなってくる。なんらかの手助けが必要になる人が多い。これは致し方がないが、あくまでも自立の道を堅持する人がいる。
ご自身の努力も確かにあるが、わたしが感銘を受けるのはその生きる姿勢である。
「画家や彫刻家はなぜ長生きするのか」という本書の項目の中で、長寿の画家には描きたいテーマが必ずあると書いた。生きがいというと重苦しくなるが、要するにしたいこと、やりたいことである。これがない人生は楽しくないだろう。
100歳を超えた百寿者の方々にお目にかかり、人生を楽しむ術(すべ)のようなものをお教えいただいた。
これは非常に大切な教えである。
生きるテーマがあって、ボケない方法を知り、きちんと実行している。だから、百寿者にもなれたのである。
本書には、わたしが実際にしている、もしくはしようと思っていることを、書き連ねてみた。すると、どんどん項目が増え、100を超えてしまった。
朝食はパンよりご飯を。リンゴは皮まで食べる。野菜の王様はブロッコリー。魚の王様はサケ。理想の睡眠時間は7時間。体重は毎日測る。2日前の日記をつける。1年先まで予定を組んでみる……。
やらなければ、しなければ、とむずかしく考える必要はない。習慣にしてしまえば、体が自然に動くようになる。苦にならなくなってくる。そうなるものばかりである。
病気の原因の多くは生活習慣にあり、悪い生活習慣を改め、いい生活習慣を身につけることが大切だといっておられるのは、聖路加国際病院の日野原重明先生だが、まさにその通りである。日野原先生の生活習慣については、本書でもくわしく紹介させていただいた。とくにその理想的な食事メニューはすぐにでも参考にしたい。
生き生きと楽しい人生を送るには、タバコなどがその典型だが、わかっちゃいるけどやめられないという悪い習慣を絶ち、少しでも時間があれば体を動かすなどのいい習慣を身につけることが大切だ。
101の方法のうち、ひとつでもいいからといいたいが、できることならいくつも、そして、いまからすぐに始めてもらいたい。
ボケないで、自立して生活できる百寿者になるための道がここにある。
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