
北上 そういう町が好きということではないんですか?
志水 江戸は皆さん書いているし、自分が書かなくてもいいかなと思ってるんです。新味がないというか、他の作家がやっていないことをやろうと思うから。昔からちょっと外れたことをするのが私なんで(笑)。
北上 ということは新作を書くときは、まず舞台から決めるということですか。すると、舞台によって作品がかなり変わってきますよね? たとえば今回の上野は、渡良瀬川があって、足尾で銅山が発見されて栄えた。それが寂れて、次に養蚕と織物が盛んになったという背景があります。土地の性格がまずあって、人々の暮らしがあり、そこから人間像が生まれてくるわけですから。
志水 それが面白いんですよね。いろいろ調べているうちに、意外と知らないことがあって、これはいけるなぁとなってくるんです。
北上 土地を決めればその土地のドラマがあるわけですから、それによって自動的に年代も決まってくるんですか?
志水 年代は幕末に絞っています。ただしまったく同じ年にはせずに、作品ごとにちょっとずつずらしています。1850年くらいから明治維新の1868年、そのあたりをずっと書いていこうかと。ただ歴史的事実、背景は史実を踏まえます。そうして時間軸を押さえた上で、人間や設定はあくまでもフィクションで、物語を自由に動かすんです。


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