――小説形式であることで、内容がとてもわかりやすく、それにお葬式のアドバイス役「まどか」の個性も光っています。
奥山 実用書にはごく一般的なことしか書いてありません。それぞれの家にそれぞれの問題がありますから、その家庭の背景も描いて、個々の問題を重視して取り上げようと思いました。喪主が困るとしたら、こういうことがあるのでは、と。
――先日、パシフィコ横浜で開催された「フューネラルビジネスフェア」(葬祭サービス総合展示会&シンポジウム)の模様がテレビで報道されていました。故人の等身大半身像や肌身離さず身につける遺骨ペンダントなど、ずいぶんバリエーションがありました。お葬式、死に関する話はタブーだと思っていましたが、オープンになってきていますね。
奥山 私もフェアに取材に行きましたが、純金製の骨壺があるかと思えば、お骨を入れる木製ペンダントでヒモは皮製、つまりずっと身に着けて、自分が死んだら一緒に燃やせるものもありました。金属は基本的に火葬できませんから、最期まで考えた品物ですね。
お葬式に興味を持つ人は増えましたが、親に対してはなかなか言い出せません。深刻な状況になってからでは切り出せませんから、健康な時に話しておいた方がいいかもしれません。この本が話のきっかけになってくれるといいですね。孤独死が問題になっている現在、葬儀の希望を伝えられる人がいるということ自体が、とても幸せなことだと思います。
プレゼント
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『赤毛のアン論』松本侑子・著
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応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。