私たちは実態とは異なることを、政府とその取り巻きによって信じ込まされて来たようだ。薄々、そんなことだろうとは思ってはいたが、福島原発の事故とその後のドタバタ劇は、余りにも見事に、そのことを知らしめることになった。「原子力村」の住人である専門家の言うことも当てにはならないのだ。
農業問題についても似たような状況にある。私たちは日頃、日本はカロリーベースの食料自給率が40%しかなく、なんらかの理由で食料が輸入できなくなると、大変な事態に陥ると信じ込まされて来た。また、日本農家は小規模であり国際競争力がない。だから保護が必要とも聞かされて来た。そのように農水省が言っている。また、「原子力村」ならぬ「農林村」の専門家からも、そんな話を聞かされて来た。
しかし、浅川さんの書いた『日本の農業が必ず復活する45の理由』を読むと、そんなことは嘘っぱちであることがよく分かる。この本は、日本農業の本当の姿を知りたいと思う人にぜひ読んでもらいたい。
私たちが日本農業を見誤る原因は、多くの兼業農家がコメ以外については、ほとんど生産していないと言う事実を知らないからだ。主業農家と呼ばれる真剣に農業に取り組んでいる農家は全国に36万戸しかないが、その農家が鶏や卵の99%、飲んでいる牛乳の95%、豚肉の92%、牛肉の92%、野菜の82%、花の87%を生産している。日本には農家が253万戸あるが、この数字を見れば、その大半が農産物をほとんど生産していないことがよく分かるだろう。
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『夜に星を放つ』窪美澄・著
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