イーストウッド映画はロードショー初日に観に行く
──しかし、昔はなぜロードショー初日に観ることにあんなにこだわったんでしょうね。
藤森 いまや情報過多で、観たような気になってしまうことが多いでしょう。一日でも早く観たいと思わせるためには、むしろ情報は邪魔なのかもしれない。もうひとつは、映画館そのものの魅力ですね。映画館そのものに〈夢〉があった。
──それは不思議ですよね。今の映画館のほうがよほど椅子もいいし、スクリーンも綺麗なのに、なぜそんなことになってしまったのか。なぜか映画館から足が遠のいてしまった。
藤森 これは早川さんとお話をしていて思ったんですが、たとえばスピルバーグの「JAWS/ジョーズ」(75年)、ルーカスの「スター・ウォーズ」(77年)が出てきたとき、何か僕の中に違和感が生まれましたね。ああいう映画は僕にとってはどうでもいいと言うと語弊があるけれども、僕が本当に観たい映画ではないなと。そういう意味では、クリント・イーストウッドという映画監督は、僕がまだまだ映画を観たいという想いをつなぎ止めてくれている数少ないひとの一人で、新作が本当に待ち遠しい監督ですね。それこそクリント・イーストウッドの映画はロードショーの初日に観に行きたい。
──今回の取材で、ワーナー映画というのはハリウッド・メジャーの中では個性的な映画会社だということがわかりました。かつて最後までキューブリックを支え、いまではイーストウッドを支えているというのは、ある意味で心強いですね。
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