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どれが中国産なのか<br />ひと目でわかるガイドブック

どれが中国産なのか
ひと目でわかるガイドブック

文:徳山 大樹 (『週刊文春』特別取材班キャップ)

『中国食品を見破れ スーパー・外食メニュー徹底ガイド』 (『週刊文春』特別取材班 編)


ジャンル : #ノンフィクション

 そこで、スーパーで食材を買うとき、外食でメニューを選ぶとき、どれが中国産なのか、ひと目でわかるガイドのような書籍を作れないか、という発想が生まれたのです。書籍化にあたっては、追加取材をした上で、食材68品目、外食チェーン87店舗をリストアップしました。

 08年、冷凍餃子に農薬のメタミドホスが混入していた事件があったため、冷凍食品が中国で生産されていることは広く知られています。しかし、柿ピーなどのピーナッツがほとんど中国産であることは、あまり知られていないでしょう。しかも、中国産のピーナッツからは発がん性のあるカビ毒(アフラトキシン)が度々検出されているのです。実は、ハチミツも中国産が極めて多い品目です。ハチミツ自体として売られていることもありますが、菓子類に材料として使用されていることも多いようです。

国産と食べ比べて、驚いた

 この2品目で、国産と中国産の食べ比べをしたところ、驚きました。とくに国産のピーナッツは今まで食べたことのない美味しさでした。つまり、これまでピーナッツと思って食べてきた味は中国産のものだったのです。

 スーパーで売られている商品は、ある程度なら裏面ラベルに原産地が表示されていますが、外食では表示義務が原則ありません。そこでオススメしたいのが、店員に直接尋ねてみることです。意外に思われるかもしれませんが、ほとんどの店員が嫌がらずに教えてくれます。ある回転寿司で穴子の産地を訊いたところ、少し言いづらそうに、「実は中国産なんです。お味は大丈夫でしたか?」と答えてくれました。ここに限らず回転寿司チェーンの穴子はほぼ中国産。ワサビ、ガリに至るまで中国モノのところもあるほどです。

 また、外食チェーンでは、業種によって差はありますが、原産地情報をHPで公開しているところも少なくありません。たとえ中国産を使用していたとしても、安全管理をきちんとした上で、堂々と公開しているチェーンであれば、消費者のリスクを軽減できると言ってもいいのではないでしょうか。さらに企業が安全管理と情報公開を進めるきっかけに、本書がなれたとしたら幸いです。

中国食品を見破れ
『週刊文春』特別取材班・編

定価:924円(税込) 発売日:2013年08月08日

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