- 2014.12.10
- インタビュー・対談
いつもは適当自炊にワクワク外食。たまに買い食い、旅ごはんも大好き!
「本の話」編集部
『はらぺこ万歳! 家ごはん、外ごはん、ときどき旅ごはん』 (たかぎなおこ 著)
ジャンル :
#随筆・エッセイ
おうちのごはん、外食、旅先での食事と、イラストレーターたかぎなおこさんの様々なごはんの話をまとめたコミックエッセイ『はらぺこ万歳! 家ごはん、外ごはん、ときどき旅ごはん』。本書にまつわるおいしい話をたかぎさんにうかがいました。
――タイトル通り、家ごはん・外食・旅ごはんと本書では幅広く「食」について描かれていますが、それぞれ印象深い回を教えてください。
この作品は「コミックエッセイルーム」というサイトで連載していたのですが、連載を始めるときに担当のババさんと「食べることについて描きましょう~」とゆるい感じにしかテーマを決めなかったんです。それで、子どもの頃の忘れられない食べ物とか、地味な自炊ごはんとか、最近のお気に入りの食べ物とか、さらに旅に出たときのごはんとか、けっこう自由に描かせていただきました。
家ごはんでは、すごくハマって作りまくっていた「椎茸とレモンのペペロンチーノ」が印象深いですかね。たまたま雑誌で見かけた、とってもシンプルなレシピなのですが、なぜかやみつきで、いまでもふと食べたくなります。
外ごはんは、最近日本酒をちびちびとやるのが好きで、その中でも「うるか」という鮎の塩辛に出会ったときは衝撃的でした。びっくりするほど苦いのですが、日本酒がすすむ味で、大人の階段をまた一歩あがったような感じでした。
旅ごはんでは、やはり青森で昔お世話になったシェフ・早瀬さんに再会できたのが印象的です。以前、担当のババさんと作った『浮き草デイズ』という本にも登場する、私がホテルの朝食係のバイトをしていたときにお世話になっていた男性シェフなのですが、現在は青森でご自分のお店を開いています。そのお店にババさんと一緒に訪問して、13年ぶりくらいに再会できました。早瀬さんのお料理をいただいていると、絵の仕事が全然こなくて必死でバイトをしていた頃とか、コミックエッセイの仕事を始めて『浮き草デイズ』を描いてた頃とか、いろんな思い出がぐるぐるとよみがえってきます。連載を始めたときは、まさかこの本の中で早瀬さんと再会したことを描けると思ってなかったので、一冊の中でも、この出来事が一番感慨深いですね。
――本書にも描かれていますが、早瀬さんのひさびさのお料理はいかがでした? 『浮き草デイズ』の読者の方も、青森旅行の際には早瀬さんのお店を訪ねてくれているそうですね。
早瀬さんはホテルのシェフ時代から本当にお料理が大好きという感じで、バイトのまかないなんてそんなにこったものを作る必要はないのに、なにやらゴソゴソと自作のラーメンを仕込んでたり、カレーを煮込んでたり、食べたいとリクエストしたものを作ってくれたりして、ボリュームも満点ですごくおいしかったのですが、それがさらにめちゃくちゃパワーアップしてます。とにかく創作力に富んでいて、なに料理と一言で説明できないくらい、いろんな具材がお皿の中で踊ってる感じで、お料理への愛も、サービス精神も研究心も、お皿からどんどんあふれ出ている感じでした。
コミックエッセイルームの連載で、早瀬さんのお店に行ったことを描いた回を読んでくださった読者さんが日本のあちこちからお店を訪れてくれてるそうで、早瀬さんもとっても喜んでくれました。『浮き草デイズ』にも登場したフレンチトーストや特製ラーメンは、現在通常メニューに入れてくれているようです。早瀬さんと読者さんがそんな感じでつながる日がくるなんて思ってもみないことだったので、ものすごく嬉しいです。早瀬さんのお料理は本当に楽しくておいしくて、そしてボリュームも満点なので、是非はらぺこにして行ってみてください。
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