- 2013.07.19
- インタビュー・対談
ちきりん×柳川範之
「人生は二回、生きられる?」トーク ライブ・レポート!<後編>
構成:『未来の働き方を考えよう』担当編集
『未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる』 (ちきりん 著)
ジャンル :
#趣味・実用
社会派ブロガーちきりん氏×東京大学大学院教授柳川範之氏
「人生は二回、生きられる?」トーク ライブ・レポート! <前編>はこちら
“40歳定年制”とは?
ちきりん 先生は今は研究者ですが、第2の人生にやりたいことはありますか? 人気ブロガーとかどうでしょう(笑)?
柳川 いやあ、無理じゃないかなあ(笑)。一番やりたいのは映画監督ですね。映画監督って全部自分でプランニングできるでしょう。50とか60歳くらいから志して70歳くらいで1本撮る……とか。そういうことを皆が考えられる社会ってわくわくする感じがありますね。
ちきりん それは素敵ですね。じゃあ、会場の皆さんにも聞いてみましょうか。まず、「個人として40歳くらいで2度目の人生に入るのは、いいアイデアだ!」と思う人は緑をあげてください。
これは、8割がた緑ですね。
では次の質問、「企業が、制度として40歳定年制を導入してもいい」と思う人は緑をお願いします。
あらら、さっきよりだいぶ緑が減りましたね。3~4割が白(反対)でしょうか。
先生の「40歳定年制」と私の本は、結論は同じでも、制度側から変えようとしているか、個人で楽しく生きればいいじゃんという話の延長戦で、そういう結論につながっているかが違うのですが、先生はやっぱり、制度が変わらないと日本は変わらないと思われますか?
柳川 実は「40歳定年制」というのは、4、50年という長期も含めて、もっといろんな長さの雇用期間を認める制度にしようという話なんですけどね。とはいえ、「40歳定年」と聞いて、不安になった方というのは、40以降に再就職しなければならないとなると、その際自分のスキルが通用しないのではという不安だと思うんです。それはその通りで、これからはやっぱり40くらいでスキルビルディングしないと、いずれにせよ、今の制度の下でも、ちゃんと働き続けるのは難しい。ただ、今でも、40代で大学行ったり、学びなおしたりはできるけれども、このご時世、突然、40のお父さんが「やめて大学行こうと思うんだけど……」といっても周りの理解は得られないでしょう。「何をばかなこといってるんだ」と。
ちきりん たしかに奥さんは大反対でしょうね。子供の教育費をどうするんだと?
柳川 それが普通ですよ。だけど、基本、制度としてそうなりました、となると、奥さんもしょうがないね……と。
ちきりん なるほど。「みんなそうしなければならない」となれば、日本人は文句も言わず、粛々とやるだろうと。
柳川 そうです。あと、政府も、お金をつけてくれるでしょう。制度にするメリットはその2つです。やはり、それがなければ、そうしたほうがいいとわかってはいても、なかなか実行には移せませんよね。
ちきりん ただ私は、そんなことにお金つけるのは反対ですけどね。個人それぞれ、自分が楽しいと思える人生を追い求めればいいと思います。「最初の20年はたくさん稼ぎました、2回目はたいして稼げなかったけれどすごく楽しかった、とか、家族と存分に楽しい時間を過ごせた」とか、一生の間に複数の人生を楽しめるようになればいいなと。
でも、私ももう長年こうやって若い子を煽ってるんですけど、世の中は遅々として変わらないので、先生のおっしゃるように、制度論も大切なのかなとも思います。
さてここで皆さんに聞いてみたいのですが、今の自分には、もう1つのやりたい生活、今とは別の働き方の具体的なイメージがあるという方、緑を上げてみてください。
わあ! 半分以上、7割くらいの方が、別の働き方のイメージを持ってるんですね。
柳川 すばらしいですね。
ちきりん ちきりんブログの読者、すばらしいでしょ!(笑)
-
『赤毛のアン論』松本侑子・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。