阿川佐和子さんの『聞く力』(文春新書)がついに100万部を突破! 今年唯一のミリオン達成で、ナンバーワンベストセラーとなった。
本誌連載20年目の「この人に会いたい」でも、その「聞く力」で、対談に前向きではなかった相手をその気にさせ、時間を延長してまで話させたり、驚くようなスクープ発言を引き出したりしてきた。数々の“阿川マジック”を最も近くで見てきた歴代担当編集者が、オフレコ話を一挙公開。
「阿川さんが相手だと、対談相手はとにかく自分から話してしまう。決して無理やり言わせるのではない。向こうがポロッとスクープ級の話を漏らしてしまうのです」(初代担当)
記念すべき連載第1回は花田憲子(現・藤田紀子、93年5月6日/13日合併号)。貴乃花と宮沢りえが婚約破棄してから数カ月しか経っていなかった。
「事前に、『さすがに話題にできないよね』と打ち合わせをしていました。それなのに阿川さんは突然、『ところで、りえちゃんの件ですけど』とさらっと聞いてしまった。びっくりしていたら、花田さんが、『いいのよ』と話し始めてくれたのです。この人は話を聞きだす天才だって思いました」(同前)
まだ現役だった伊達公子(96年1月18日号)とは、こんなやりとりが。
当時、伊達は俳優の中井貴一との交際の噂があった。所属事務所から、「恋愛の話は絶対にしないでください。したら中断もあり得ます」と申し入れされていた。
「海外で試合に負けると、国際電話で延々と悔しさをぶちまけるというエピソードを伊達さんが話したとき、阿川さんはつい、『それって、ナカ……』と言ってしまい、『あっ……』と慌てて口を手で塞いだんです。伊達さんは、それを見て思わず失笑。でも、それでかえって場が和み、『恋のためならテニスを捨てるかも知れません』なんてコメントまで引き出しました」(3代目担当)
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