2018.06.23 書評

(文庫版あとがき:)習近平は「中興の祖」となるか、それとも悲惨な末路を辿るのか

文: 峯村健司

『宿命 習近平闘争秘史』(峯村健司 著)

『宿命 習近平闘争秘史』(峯村健司 著)

 本書の元となった単行本『十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争』(小学館)が2016年春、韓国と台湾でも出版された。いずれも初版がすぐに完売、大手書店やネット書店でもベストセラーに名を連ねた。台湾で4刷、韓国では7刷(いずれも17年末時点)が発行され、多くの現地メディアにも取り上げられている。

 実は、最初に台湾での出版の話を持ちかけられた際、躊躇した。台湾や香港では、中国共産党内の暴露本や解説本が多数出版されている。事実関係があやふやなゴシップのたぐいから、党の内実に迫ったスクープまで、玉石混淆の書物が並んでいる。その質量ともに日本を圧倒していることは間違いない。日本人が中国内政について記した本が、中国語圏で受け入れられる自信がなかった。それでも版元である聯経出版の担当者は、半年以上かけて翻訳作業をして出版にこぎ着けてくれた。内部文献や関係者の証言を紡いで中国政界を描き出した「国際ノンフィクション」というスタイルの書籍はあまり例がなく、関心を持ってくれたそうだ。ただ、売れ残って出版社に迷惑をかけても申し訳ない。発売直前、聯経出版の社長にこの不安をぶつけると、
「(中国)大陸からの観光客が買っていくから大丈夫ですよ。それに、すでに共産党や中国政府の複数の機関から100冊単位で予約注文が入っていますから」


宿命 習近平闘争秘史峯村健司

定価:本体940円+税発売日:2018年06月08日