インタビューほか

出生前診断の“誤診”で産まれたダウン症児 「産む」という選択を考える

「週刊文春」編集部

『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』(河合香織 著)

『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』(河合香織 著)

「数年前に私も出産を経験しました。妊婦健診で問題を指摘され、医師からは出生前診断があることを聞きました。結局検査は受けなかったのですが、その時とても悩んで。自分はそれまで障害者に関する本も書いていましたが、判ったつもりになっていただけだと気が付きました。そんな折にこの訴訟を知ったんです」

『選べなかった命』を上梓した河合香織さんは語る。

 函館の医師の出生前診断の誤診によって生まれることになったダウン症児は、重い合併症に3カ月間半苦しみ力尽きた。夫妻は医院と医師を訴えることに。

「両親は医師に対して、〈誤診で精神的苦痛を受けた〉として訴え、さらに赤ちゃん自身に対する慰謝料も請求しました。これは日本初のロングフルライフ(Wrongful life/不当な生)訴訟にあたると聞きました。〈自分が生まれなかったら、死の苦痛もなかった〉という訴えには、私も初めは戸惑いましたが、話を聞いて、母親は生まれた我が子が苦しんでいるのを見て、医師に子供にも謝って欲しいというシンプルな気持ちだったのだと思い至りました」

【胎児の障害を理由にした中絶は認められていない>>】

こちらの記事が掲載されている週刊文春 2018年9月13日号

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選べなかった命河合香織

定価:本体1,700円+税発売日:2018年07月17日